幻じゃない広輔弾!ビデオ判定も覆らず
「交流戦、楽天0-6広島」(10日、コボスタ宮城)
あの悪夢が一瞬よぎった。二回2死二塁で、広島・田中広輔内野手が塩見の高目に浮いた直球を振り抜くと、右翼ポール際に着弾した。審判団は一度本塁打の判定を下したが、際どい打球だったためビデオ判定が行われた。
約3分後、審判団は当初の判定通り本塁打を認めた。田中は「追加点がほしいところで取れた。左投手だったので開かないで打てたのがよかった」と振り返り、「打った瞬間にいつもと違って真っすぐに打球がいったので、入ったと思いました。ベンチでみんなにファウルだと言われて不安になりましたけど。よかったです」と胸をなで下ろした。
三度目の正直だ。昨年9月12日の阪神戦(甲子園)。延長十二回に田中は左中間席に運んだ。完全にオーバーフェンスしていたがビデオ判定の結果、本塁打が認められず、三塁打と判定される大誤審。“幻の本塁打”となり、試合に敗れた。
さらに今季も5月15日の中日戦(ナゴヤドーム)。同点の九回1死一、二塁で右前打を放ち、二走・安部が本塁に生還した。球審が一度セーフと判定し、勝ち越したかと思われたが、ビデオ判定の結果、アウトに覆った。
正真正銘の一発を放った不動の1番。それでも「本塁打の後、三振が2つ。黒田さんが投げていたとき(七回)の併殺が取れなかった。悔しいです」と反省も忘れなかった。