41歳M2黒田が42歳M4イチローに奮起
広島・黒田博樹投手(41)が13日、米大リーグ・マーリンズのイチロー外野手(42)の存在を糧に、さらなる奮起を誓った。日米通算4252安打でピート・ローズが持つメジャー最多通算安打記録まであと4本。右腕にとって1学年上の尊敬する先輩で、ヤンキース時代の戦友でもある。「僕も、まだまだやらないといけない」と奮い立った。
慎重に言葉を選びながら、黒田はゆっくり口を開いた。世界中が注目する大記録。「僕が簡単に言うのは失礼」と、数字が持つ意味と価値について、表現することを避けた。ただ、42歳の大偉業は、41歳の心を駆り立てる。原動力にもなる。
「それは刺激というか…。もうレベルが違い過ぎる。僕らが簡単にコメントするのは軽くなってしまうので」
世界は今、イチローに注目している。日米通算4252安打でピート・ローズが持つ、メジャー最多通算安打記録まであと4本。「ただただ、すごいという言い方しかできないですね」と言う。1学年上で、ヤンキースでは2年間、同じユニホームを着た「尊敬する」先輩。思いは強い。
日本復帰後も交流は続く。「一ファンとして」テレビ中継をチェックし、メールをやり取りする。4月末。メジャー通算500盗塁達成時も、祝福メッセージを届けた。昨年9月、打球が黒田の右手を直撃した時には、イチローから「取りあえず右手を引っ込めるクセを付けとこうか?」とメールが届いた。
世界最高峰の偉業。簡単な言葉で祝福はできないが、その姿に、記録に心を奮わせる。「1つ上の先輩が、あれだけバリバリやられるのをみるとね。僕も、まだまだやらないといけない」。41歳の今季はここまで5勝3敗、防御率2・83。個人記録に興味を示さないが、日米通算200勝にあと「2」と迫る。
右肩、首には慢性的な痛みを抱える。だが、10日の楽天戦では8回無失点で5勝目。1カ月以上、遠ざかった白星を手にした。次回は17日のオリックス戦(マツダ)。今季3度目の交流戦登板にも「いい打者はどこにいてもいい打者。やることは変わらないです」と不退転の決意で臨む。まだ、まだ-進化を続ける。“イチ魂”を胸にチームを勝利に導く。