下水流プロ1号 孝行息子が大仕事
「交流戦、広島5-4オリックス」(19日、マツダスタジアム)
快音と同時に高々と舞い上がった白球に、3万1295人の視線が奪われた。広島・下水流昴外野手(28)が待望のプロ初本塁打を本拠地に打ち込んだ。
2点を追う六回。2死二塁で代打をコールされた。暴投で走者の新井が三塁に進み、白仁田の3ボール1ストライクからの5球目、高めに浮いた141キロ直球を逃さなかった。打球は左中間スタンドへ。同点2ランで試合を振り出しに戻した。
「打った瞬間入ったと思った。カウントが良かったので、真っすぐを狙って思い切っていきました。1打席1打席積み重ねた結果が本塁打になった」。プロ4年目、1軍通算38打席目での一発。大歓声を浴びながら、ゆっくりとダイヤモンドを一周した。
16日以来、2度目のお立ち台は同期入団の鈴木と一緒。「誠也は本当にすごい。今は鈴木さんと呼ばせてもらっています」と笑いを誘った。緒方監督は「場(1軍)の雰囲気に慣れてきた。持ち味であるパワーを発揮して魅力ある打撃をしている。落ち着いて本来の力を見せてくれた。今日は最高のものを見せてくれた」と称えた。
今季は、初の開幕1軍入りを果たしたが4試合で6打数無安打。4月6日に2軍降格し、今月10日に再昇格するまで打撃フォームを見直した。「今までは上体でタイミングを取っていたのですが、下半身でタイミングを取ることでボールを長く見られるようになった」
父の日に輝いた孝行息子。「全国のカープファン、球場に来てくれたお父さん、あしたから仕事頑張ってください。僕たちも頑張ります」。記念ボールは実家に送る予定だ。
交流戦を終え「ここからのリーグ戦が大事になってくる」と前を見据えた。2カード連続の3タテ。今季初の6連勝に導いた下水流の躍進が始まる。