黒田200勝王手!3点二塁打も!鯉11連勝
「広島8-1ヤクルト」(29日、マツダスタジアム)
王手星で11連勝だ!広島・黒田博樹投手(41)が投打に活躍し、6勝目を手にした。投げては7回3安打1失点。打っても今季初安打となる3点適時二塁打を放った。この勝利で日米通算199勝。ついに200勝にあと「1」と迫った。チームは1984年に球団記録の12連勝をマークして以来、32年ぶりの11連勝。貯金は今季最多を更新する「16」となった。
ベンチが総立ちになった。夜空に舞い上がった白球が、背走する左翼・バレンティンのグラブの先へ落ちた。黒田が「もう二度とない」と表情を崩した一打。日米通算199勝目、チームの32年ぶり11連勝は自らのバットで手繰り寄せた。
「初球からいかないとチャンスはないと思っていた。0(無安打)が並んでいたので気になっていた。良いところで打てて良かった」
4-1の六回。石原が敬遠された2死満塁で打席に立った。右腕とお立ち台に上がった菊池が「一番、盛り上がった」と振り返った場面。今季13試合目、27打席目で飛び出した初安打は貴重な3点適時二塁打となり、リードを6点に広げた。
投球では序盤から全力投球で凡打の山を築いた。二回、山田に先制の中越えソロを浴びたが動じない。気持ちを一度、リセット。好調な味方打線の反撃を信じて右腕を振った。7回を3安打1失点。「休み肩。間が空いたので飛ばしていけた。気持ちも整えられた」。前回登板後に出場選手登録を抹消され、中11日。満を持して上がったマウンドで、まぶしいくらいの光を放った。
復帰2年目。後輩からいじられることもしばしばだ。先日は自身のロッカーに奇妙な1枚の写真が置かれていた。“某球団広報”の化粧姿が映ったものだったが、そのまま新井の私服のポケットに入れた。「犯人の予測はある程度、ついている。連勝中なので、きっちりとバトンをつないだ」とニヤリ。チームのムードは明るい。成長に確かな手応えも感じる。ベテランと若手の融合が、これまでの強さを支えている。
日米通算200勝に王手をかけた。次回は中6日で7月6日・中日戦(金沢)に登板予定だ。大記録がいよいよ目前に迫ったが「通過点にしないといけない。201、202勝と勝っていかないと、チームは上に上がっていけない」と言い切った。チームは首位独走で今季最多の貯金16。さらに前へ、前へと進んでいる。大記録よりも手にしたいものがある。実りの秋を迎えるために、歩みを止めない。