黒田200勝金沢で決める!チームの勝利優先「どんな形でもいい」

 広島・黒田博樹投手(41)が登板予定の6日の中日戦(金沢)で日米通算200勝を目指す。4日は富山市民球場でキャッチボールやダッシュで調整した。大記録達成にあと「1」と迫っているが、平常心を強調。これまで積み重ねてきた199勝と同様にチームの勝利を最優先してマウンドに立ち、日本プロ野球史にその名を刻む。

 外野後方に立山連峰を望む富山市民球場。大自然に囲まれた中で、黒田は泰然自若だった。テレビカメラ6台が並び、詰めかけた報道陣は40人。熱視線を浴びても、口にしたのはいつもと変わらない言葉だった。

 「周りの人が騒いでいるけど現時点では意識していない。勝てればどんな形でもいい。形がどうであれ(自分が)勝てば、チームが勝つということ。勝ち方にこだわりはないです」。周囲の盛り上がりをよそに、サラリと言った。

 大偉業へ王手をかけて臨む一戦は、6日・中日戦。球場は1年目の97年7月1日・阪神戦以来となる金沢だ。

 満員の本拠地で、その瞬間を迎えることが、誰しもの願いかもしれない。だが右腕は「当然マツダで、たくさんのお客さんの前で投げるのがいいのかと思います。でもやっぱりローテで回る以上は、そうも言っていられない」と力を込めた。過去に200勝を地方球場で達成したのは藤本英雄(巨人)、村田兆治(ロッテ)の2人だけ。自身の記録より最優先するのはチーム。その信念は、いつになっても揺るがない。

 開幕前から首や右肩に慢性的な痛みを抱える。コンディションが万全ではない中で踏ん張り、白星を手にしてきた。前回6月29日のヤクルト戦は7回1失点と好投したが、中11日での登板に「休み肩だったから」と笑った。

 チームはDeNAに2勝1敗で5カード連続勝ち越し。ベテランの新井に負けじと、若手の下水流らが横浜で暴れ回った。貯金は今季最多タイの「16」、2位・中日とのゲーム差は2桁の「10」まで広げた。悲願へ向かいナインの心は一つ。金沢でも、その背中を力強く後押ししてくれるはずだ。

 プロ20年目。いよいよ節目のときを迎える。黒田は「1勝、1勝、大変な思いをして勝ってきた。振り返ると、しんどいことを思い出さなきゃいけないので」と前を向く。全身全霊をかけて上がるマウンド。その先にまぶしい光が待っている。

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