鈴木誠也が劇勝呼ぶ同点犠飛 球宴の反省生かし「楽な気持ちで」で軽打
「広島3-2中日」(18日、マツダスタジアム)
チームメートを、そして本拠地を真っ赤に染めた鯉党を一振りで勇気づけた。反撃ムードをつくり、新井のサヨナラ弾を呼び込んだ。広島・鈴木誠也外野手もまた、後半戦初戦を劇的勝利で飾った立役者の1人だ。
相手のミスで1-2となった七回無死満塁。若松の外角直球をコンパクトなスイングではじき返した。「楽な気持ちだった。大振りになるのだけは避けたいと思っていた」。同点の右犠飛。試合を振り出しに戻す価値ある一打を放った。
初めて出場した球宴の経験を無駄にはしなかった。柵越えを意識して打席に立ったものの本塁打はなし。「力んでポップフライを打ち上げたりしてしまった」。低いライナー性の打球を打つ-。夢舞台で自らのスタイルを再確認した。
試合後は、いつもと同様に居残りでスイング。フォームを確認しながら約20分間、汗を流した。結果が伴った日も、そうでない日も振り続けるバット。自らの形を体に覚え込ませている。
終盤での同点、サヨナラ劇は、チームに大きな推進力をもたらした。「接戦を落とさなかったのは、大きなこと。今後はこういう試合が多くなると思うけど、ものにしていきたい」と前を見据える。夏場以降が本当の戦い。鈴木が全力でチームをけん引する。