ルナ大暴れ!広島9年ぶり阪神戦8連倒 12カード連続の初戦勝利
「広島4-2阪神」(22日、マツダスタジアム)
走攻守で大暴れだ。広島のエクトル・ルナ内野手(36)が3安打3得点。さらに2盗塁を決めて勝利を呼び込んだ。守備でも難しい打球を処理し、ピンチになると投手に声をかけ平常心をもたらした。これでチームは阪神に2007年以来、9年ぶりの8連勝。12カード連続でカードの初戦に勝利し、貯金も今季最多タイの「21」に戻した。
泥だらけのユニホームが、何より誇らしかった。ルナは「たくさんスライディングしたから」と表情を崩す。前に前に進み、得点と推進力をもたらした。ドミニカンの積極的な姿勢が、07年以来となる阪神戦8連勝を呼び込んだ。
0-0の二回無死。右前打で出塁すると、次打者・松山の5球目にスタート。勢いよく二塁に滑り込んで好機を広げ、鈴木の中前適時打で生還した。再び右前打を放った3-1の五回も二盗を決めると、石原の押し出し四球で4点目のホームを踏んだ。
米マイナー時代に「1試合で5盗塁を決めたことがある。シーズンでは35個も走ったんだ」と胸を張った走力。日本人投手のクイックの速さに手を焼くことがあったものの、今ではしっかりと克服した。三回には今季初の三塁打で追加点の起点になった。「ルナがチャンスメークしてくれた。自慢の足を見せてくれたし、頼もしい4番」と緒方監督。勝利の立役者に目を細めた。
守備では、六回に福留の難しい打球に反応してピンチを防いだ。七回は制球が定まらず苦しむヘーゲンズに歩み寄り、間を取った。攻撃だけではない。守備でもこの日はチームを引っ張った。
母国のドミニカ共和国では「アシエンダ・ルナ」という名前の大規模牧場を経営する。野球場6個分ほどの広さがあり、乳牛やヤギなどを飼育している。さらに近年は闘鶏を飼い始めた。「中南米では盛んなんだ。僕も昔から興味があったからね」。自身の携帯電話には闘鶏の写真がいっぱい。約90羽近くまで増えたが、カープで成功し、さらに強い鶏を育てたい思いがある。
12カード連続でカード初戦に勝利し、貯金を今季最多タイの「21」に戻した。2位・巨人とのゲーム差も再び「10」に広げた。「あしたも、いつも通りのプレーをしたいね。走るのは、しんどいけどね」。首位を独走中でも、どれだけゲーム差が開いても、変わらない姿勢。全力プレーの先に、大輪の花が待っている。