鈴木誠也 大敗でもナイン鼓舞!15号ソロ&猛打賞
「広島3-19DeNA」(29日、マツダスタジアム)
思いを乗せた白球は右中間で弾んだ。大敗の中で唯一光った猛打賞2打点。序盤から15号ソロで意地を見せるなど、球場を沸かせたのは広島・鈴木誠也外野手だ。大勢が決まった一戦でも、バットでナインを鼓舞。諦めない姿勢で何度も見せ場を作った。
0-3で迎えた二回。2死走者なしで打席に立つと1ボールから2球目、石田の内角低め143キロの直球を狙った。芯を外れた打球はそれでも、低い弾道のまま左翼席に届いた。「詰まりましたけどよく入ってくれました」。技ありの一発だ。
9戦連続安打、6戦連続打点。好調の背景に内角球への対応がある。ティー打撃から右手を左腕に添え、脇が開かないフォームを徹底。東出打撃コーチは「左腕を使わない使い方を覚え始めた」と説明する。体の中心からバットが離れず、スイングがブレにくい。試合後も約30分、ベンチ裏で反復練習。欠かさぬ努力が安打を生む。
「僕はレギュラーでもない。結果を求められる立場なので。こういう時だからこそ、集中して打席に入った」
七回に中前打を放つと九回には無死二塁で右中間へ適時二塁打。12日の巨人戦以来、今季6度目の猛打賞だ。「次の試合が大事。こういう試合もある。無駄にしないように、しっかり戦いたい」と鈴木。大敗を糧に、3安打を自信に、次戦での必勝を強く誓う。