堂林が今季初盗塁 スクイズで生還「伝統野球」体現だ

 「広島2-0ヤクルト」(20日、マツダスタジアム)

 広島の背番号7がグラウンドを駆け回った。今季初盗塁で先制のチャンスを演出した堂林。緒方監督の掲げる走攻守を使った「伝統野球」を体現した。

 0-0で迎えた四回。1死から四球で出塁すると、続く石原の打席で、ヤクルト先発・石川の投球モーションを完璧に盗んだ。「フリー(盗塁を試みてもよい)のサインが出たので思い切って行きました。いい感じで走ることができた」と楽々と二盗を成功させた。

 石原の左前打で一、三塁となり、黒田がセーフティースクイズ。一塁側に打球が転がるのを確認すると、堂林は一気に本塁へ滑り込んだ。機動力を存分に発揮し、先制点を奪い取った。

 足だけでなく、バットでも存在感を発揮した。二回2死から中前に16日の再昇格後初の安打を放つと、六回にも中前に運んだ。4月26日のヤクルト戦(神宮)以来となる複数安打を記録。「詰まるのを嫌がらずに押し込んでいけた。与えられたチャンスをしっかりものにできるよう自分の仕事をやるだけ」と気を引き締めた。

 試合前には練習の1時間前に行われる早出特打に参加。約30分間みっちり打ち込み試合に備えた。残り29試合。復調の兆しを見せた若鯉がフル回転でチームの力になる。

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