大逆転の鯉! 広島、M18 九回2死からひっくり返した!
「巨人4-6広島」(25日、東京ドーム)
逆転のコイじゃ。広島が九回2死から、菊池涼介内野手(26)の「執念」の同点打、丸佳浩外野手(27)の勝ち越し打で、両リーグトップ38度目の逆転勝ちを決めた。5カード連続の勝ち越しで、2位・巨人とのゲーム差は9。マジックを2つ減らして「18」とした。残り25試合。気を緩めることなく、一気にゴールテープを切る。
左翼席のボルテージが一気に上がる。九回2死。土壇場での同点、そして逆転劇。主役は菊池、丸だ。緒方監督は「最高の殊勲者」と称した。マジック点灯翌日の試合でも、ナインに気の緩みはない。つなぐ野球で手にした両リーグトップ38度目の逆転勝利だ。
ハイライトは1点を追う最終回。巨人・沢村に対し、代打の松山が中前打で出塁した。犠打を挟んで、続く田中はつなぐ意識の二ゴロで2死三塁。菊池が打席に立った。7日の対戦でも九回、沢村から起死回生の同点弾。予感が漂い始めた。
「あんまり覚えてない。三塁に走者がいたので、形はどうでもいいと。最後は執念。丸も打ってくれたので」
追い込まれながらも3球目、真ん中高めの151キロをフルスイング。三塁線を襲った打球を、村田が好捕したが内野安打になった。一塁にヘッドスライディングし、塁上で激しくガッツポーズ。再びチームを救った。続く丸は直球を右翼線に運び、菊池が一気に逆転のホームを踏んだ。
菊池と丸。同級生の2人は昨季、苦い経験を味わった。緒方監督からチームリーダーに指名されながら、菊池が打率・254、丸も打率・249と低迷。V逸の要因となった。「昨年は躍動できなかったから。最後までタナ(田中)、キク、マルで引っ張りたい」と菊池。上位に座る同級生トリオで突っ走る。
つなぐ野球。昨年の秋季キャンプから実戦を取り入れ、攻守に接戦を勝ち切る野球をたたき込んだ。石井打撃コーチらが進塁打の重要性を説き、遠征先でも試合前後は宿舎での素振りを徹底。例えば無死一、三塁なら、併殺打でもOK-とした。意識改革が今季、終盤の強さを支える。
六、七、八回と1点ずつ差を詰め、最終回のミラクル逆転劇。緒方監督は言った。「これがカープの野球だ」。巨人に勝ち越してゲーム差は9、マジックは18に減った。「苦しい戦いは続くが一丸で、最後まで諦めず優勝に向かって突き進んでいきたい」と丸。悲願の頂点へ“キクマル”が逆転の広島を支える。