ジョンソン粘投13勝でセ単独トップ 悲願Vへ「最後まで平常心で」
「広島8-2DeNA」(30日、マツダスタジアム)
決して会心の投球ではない。「ヒットをたくさん打たれたしね。野手に感謝したい」と広島のクリス・ジョンソン投手は言った。それでも大崩れしないからこそ、自身にも白星がつくのだ。リーグ単独トップに躍り出る13勝目は、粘投劇から手にした1勝だ。
筒香に37号ソロを被弾し1点差に詰め寄られた六回。さらに1死一、三塁で踏ん張った。最後は代打・飛雄馬を左飛だ。9安打を浴びながら6回2失点でまとめた投球に、緒方監督は「ギリギリのところで踏ん張ってくれた」とたたえた。
自身の成績には興味がない。8月は5試合に登板し4勝。この日の13勝目にも「1つの勝ちにすぎない」と言った。優勝を勝ち取った経験は一度もない。今季は投打の歯車がかみ合い、悲願が手の届くところにある。「チーム状態がとてもいい。最後まで平常心でいければ大丈夫」。一喜一憂せず、目の前の戦いに全力を注ぐだけだ。
この日、着用した赤と緑を基調とした特別ユニホームは、お気に入り。試合後「クリスマスのようね」と言ったカーリン夫人と一緒にカメラに納まった。「1週間、コンディションを整えることに集中している」とジョンソン。佳境を迎えるシーズン。その安定感はチームにとって大きな推進力になっている。