今季9度目サヨナラ勝ちでM9も緒方監督「野球の怖さを知った」
「広島6-5DeNA」(1日、マツダスタジアム)
「逆転の広島」がDeNAとの乱戦を制し、今季9度目のサヨナラ勝ちで3連勝、優勝マジックをついに1桁の「9」とした。これで球団新となるシーズン76勝、貯金は1984年以来32年ぶりの30に到達した。同時にDeNA相手のシーズン勝ち越しも決めた。
四回、1死から鈴木の23号ソロで先制。1-5となった直後の五回には、菊池の13号ソロ、鈴木の適時打、エルドレッドの19号2ラン同点に追い付いた。さらに延長十回、1死から安部が、相手捕手の打撃妨害で出塁。田中の右翼線二塁打で二、三塁とした。DeNAは菊池を歩かせ、満塁策を敷いたが次は丸。カウント2-2から田中の5球目、真ん中の直球をはじき返すと、打球は遊撃頭上をライナーで越えた。
劇的な戦いで今季40度目の逆転勝利。緒方監督は「それもこれも今年の戦い方。後半に打線にしても、投手にしても相手の流れを止めるというか、最後まで諦めない。今年の勝ち方、戦い方になっていると思う」と、無失点でつないだ岡田、大瀬良、中崎と中継ぎ陣を称賛。得点源となっている田中、菊池、丸の上位打線にも「1、2、3番が完全に打線を引っ張ってくれている。1人1人、シーズンを通して力をつけれている。毎試合、力を発揮してくれているのは、頼もしい」と賛辞を惜しまなかった。
ただ指揮官は、同時に5点を奪われた五回を反省。2死から失策も絡んだ失点に「野球の怖さを知った。野手も投手も感じたと思う。ゲームを決めかねないところで、締めていかないといけない。締めるところは締めてね」と続けた。シーズンは残り19試合。勝ってかぶとの緒を締めた。
2日からは場所を東京に移して、4位ヤクルトと3連戦に挑む。本拠地に詰め掛けた3万1406人の大観衆に、緒方監督は「きょうも最後の最後まで誰一人帰ることなく、声援を送っていただいたので。ファンの声援に感謝したい」と頭を下げた。25年ぶりの優勝は目前。チームの、ファンの思いを胸に、一気に頂点まで駆ける。