黒田で負けても「M6」止まらぬ広島!またマジック減った 最短V7日変わらず

 「ヤクルト3-1広島」(3日、神宮球場)

 レジェンド右腕の指先に狂いが生じた。広島・黒田博樹投手(41)が5回5安打3失点。今季ワースト5四球で8敗目を喫した。チームの連勝は4でストップしたが、巨人が敗れて優勝マジックは1つ減って「6」。最短Vは7日・中日戦(マツダ)のままで、25年ぶりの悲願に向けて一歩ずつ歩を進める。

 敗戦を見届けたスタンドから、温かい声援が送られた。本来とは程遠い投球で8敗目を喫した黒田。終始厳しい表情で帰路に就く。淡々と言葉を紡いだ背中に、激励の声が飛んだ。

 「あまり状態は良くなかった。走者をためて、それが点に結び付いた」。今季ワースト5四球と制球力に欠いた。1-0の三回。安打と2四球で背負った1死満塁のピンチで三ゴロ併殺崩れの間に同点とされ、なおも2死一、三塁で西浦に右前適時打を食らい、勝ち越しを許した。

 本来なら徐々に状態が上がっていくが、この日は一向に上がらず。1点を追う五回にも2四球で2死一、二塁とし、またも西浦に左前適時打を許した。5回5安打3失点。先発としての役割を果たそうと必死に粘ったが、勝利の女神は振り向かなかった。

 「球数が増えてしまった。何とか六回くらいまで投げたかった。2点目、3点目が、結果的に決勝点になってしまった」。チームの連勝は4でストップ。鯉の大黒柱は真摯(しんし)にその事実を受け止めた。

 先発ローテの一角としてチームに貢献し続ける右腕。緒方監督は「本人の体も万全ではない中で、しっかりゲームを作ってくれているからね」と責めることなく、これまでの奮闘を称える。

 8月24日に優勝マジック「20」が点灯。チームは好調を維持し、順調に数字を減らし続けている。「マジックが1、2になると考えるかもしれないけれど、まずは目の前の試合。みんな浮足立っていないし、気の緩みもない。今まで通りの強いカープ」。この日は敗れたが、チームの雰囲気に41歳右腕は頼もしささえ感じている。

 巨人が敗れたため、マジックは1つ減って「6」。25年ぶりとなる悲願の瞬間までもうひと踏ん張りだ。ゴールテープはすぐそこまで見えている。気持ちを切り替えて次戦に臨む。

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