新井が決める!プロ18年待ちに待った自身初Vはもう目前

 「広島5-0中日」(7日、マツダスタジアム)

 頂点は見えた。ファンはもう待ちきれない。試合後はベンチ裏の通路まで歓声が響き渡った。25年ぶりの優勝は目前。「変わらない、変わらない」。広島・新井貴浩内野手は平静を保ちながら話したが、高ぶりは隠せない。すぐに素直な思いを言葉にした。

 「でも(明日は)変わらないと思っていても変わってくると思う」

 自身のバットで、本拠地Vへのチャンスをたぐり寄せた。試合開始前。マツダスタジアムは、すでに異常な熱気があった。「ファンの盛り上がりで伝わってくるものはある」。ベテランはスタンドの後押しを受け、“神ってる”流れに乗った。

 初回2死。丸が右翼前方へ飛球を放った。この打球がダイビングキャッチした平田のグラブをはじいて、中堅方向へ転々。幸運な形で二塁打となった。

 絶好の先制機。「(走者を)かえそうと思った」。新井は吉見の外角高めの直球を逆らわずに一塁へ打ち返した。

 ただ、打球は森野の正面。歓声が静まりかけたがトンネル。適時失策で打点はつかず、100打点到達へは足踏みとなったが、ベテランの“運”で主導権をつかんだ。

 丸のソロが飛び出した直後の六回1死は右前打。松山のダメ押し適時打へとつながり、中日を突き放した。3連勝。若手と歓喜し、真っ赤に染まったスタンドを見上げた。

 これまで優勝とは縁がなかった。99年に広島に入団。9年連続Bクラスを経験した。07年オフにFA権を行使して移籍した阪神では、08年に巨人に最大13ゲーム差をひっくり返された。プロ18年目。通算2000安打も達成した思い出深いシーズンで、悲願を達成しようとしている。

 「自分たちができることをやるだけ。明日はしっかりいいゲームをすることだけだから。これまでと同じようにね」

 みんなが待っている。新井が生まれ育った広島で歓喜する瞬間を-。

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