Gに勝ってVだ!緒方監督の「あした行くぞ!」に鯉戦士「ヨッシャ~ッ」
優勝マジック「1」の広島は9日、10日からの巨人2連戦(東京ドーム)に向け、東京へ移動した。緒方孝市監督(47)ら首脳陣や選手、チーム関係者は都内宿舎の宴会場に集合。設置された150インチの大画面で、ヤクルト-巨人戦(神宮)を観戦した。巨人の勝利が決まると、指揮官は「あした行くぞ!!」と大号令。直接対決での悲願達成を誓った。
150インチの大画面テレビで選手、首脳陣、スタッフらがヤクルト-巨人戦を観戦。試合終了と同時に、最前列の緒方監督が勢いよく振り向き、呼び掛けた。「あしたや、あした。あした行くぞ」-。悲願は自力で決めたい。次々と「ヨッシャ~ッ!!」と声が上がった。
「あした決めましょう。チーム一丸で戦って自力で決める。それだけだ」。指揮官が強い思いを明かす。開幕から激戦続きの130試合。積み上げた81勝に信念は揺るがない。「頼もしく成長した」と言う、選手と戦う131試合目。勝利を信じて采配を振る。
相手は宿敵、巨人。2013年は敵地で、胴上げを目の当たりにした。胸に、脳裏に刻んだ屈辱の記憶。雪辱の機会は訪れた。休日移動となったこの日は、18時過ぎに宿舎到着。巨人が初回に4点を先制し、「決めてくれ」とつぶやいた。初めて他球団の勝利を願った。10、11日は巨人戦。舞台は整った。
宿舎では優勝に向けて、着々と準備が進んでいる。慌ただしく記者会見場や、ビールかけ会場を設営。終始穏やかなムードを漂わせた選手からは、次々に巨人の勝利を願う声が聞かれた。勝利の瞬間に胴上げを。ファンのためにも、球場で喜びを分かち合いたい。新井が総意を代弁する。
「みんなも思っているけど、最後は勝って決めたいからね。そういうチャンスをもらえたので、精いっぱいにプレーしたいと思う」
先発は黒田。「これも巡り合わせというか、すごい」。新井が遠くを見つめる。長く続いた低迷期を共に戦い、口を開けば勝つ方法を語り合った。数奇な巡り合わせで2人は昨年、広島に復帰。選手を鼓舞しながら、この日を迎えた。「見えない何かがそうさせているような」。言葉はいらない。勝つだけだ。
待つのは筋書きのないドラマか。田中、菊池から始まる強力打線。黒田の後ろに今村、ジャクソン、中崎と勝利の方程式が待つ。「やることに変わりはない。一戦一戦。自分たちで決められるように」と指揮官。選手を信じて戦う。12球団で最も遠ざかった頂点。緒方監督がドームで舞う。