広島、耐えて25年ぶりV 主力が次々と流出も自前の選手を育てて勝った

広島から移籍した主な選手
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 広島が25年ぶり7度目のリーグ優勝を果たした。現在の12球団ではもっともリーグ優勝から遠ざかっていたが、今季は黒田博樹、新井貴浩らのベテランに、丸佳浩、菊池涼介、鈴木誠也といった若い選手、ジョンソン、ヘーゲンズらの外国人選手がかみ合って、圧倒的な強さを発揮した。しかしここまでの道のりは、険しいものだった。FA制度導入以降、主力選手の流出が相次ぎ、15年連続Bクラスも経験。それでも地道に選手を育て、歓喜の瞬間を迎えた。

 プロ野球にFA制度が導入されたのは93年シーズン後。98年にはポスティングシステムが導入され、選手がFA権の取得を待たずにメジャーへ移籍する道も開けた。選手にとっては大きな権利だが、資金力が乏しい広島にとっては大いなる逆風となった。

 94年オフの川口和久を皮切りに、主力選手が次々と流出。99年オフの江藤智(巨人に移籍)、02年オフの金本知憲、07年オフの新井貴浩(ともに阪神に移籍)は4番打者で、07年オフの黒田博樹、15年オフの前田健太(ともにドジャースに移籍)はチームの勝ち頭。これだけ次々と投打の柱が抜けた球団は、まず見当たらない。

 一方で、これまで国内のFA選手を獲得したことがない。これは12球団では広島だけだ。10年オフに横浜(現DeNA)からFA宣言した内川聖一の獲得に乗り出したが、ソフトバンクとの争奪戦に敗れている。

 親会社を持たず、補強に費やせる資金は限られている。その中で主力が次々と流出し、徐々に優勝争いから遠ざかっていった。96年、「メークドラマ」で巨人に最大11・5ゲーム差を逆転されて優勝を逃すと、98年から15年連続でBクラスに沈んだ。

 しかし野村謙二郎監督就任4年目の13年に3位に入り、球団史上初めてCSに進出した。ドラフトで獲得した生え抜き選手を我慢強く使って育て、チーム力は徐々に上がっていった。緒方孝市監督が指揮を執った15年シーズンから黒田、新井がチームに復帰。ベテラン、若手がかみ合う理想的なチームとなった。

 FA制度が導入されて以降、多くの球団で目まぐるしく選手が入れ替わった。スタメンの大半が移籍選手というチームもあった。しかし広島は、まったく別の道を歩んできた。「耐えて勝つ」は、1975年に広島を初優勝に導いた古葉竹識監督の言葉。球団もまさに耐えて勝った。

 広島は今、プロ野球でも屈指の人気球団となった。その理由は、生え抜き選手が躍動にもあるのかもしれない。

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