岡田がCS突破へのカープ秘密兵器! G打線相手に2回4K…先発4番手に浮上
「巨人8-0広島」(11日、東京ドーム)
CSを勝ち抜くための戦力整備が始まった。25年ぶりの優勝から一夜明けた広島は巨人に大敗したが、その中で岡田明丈投手(22)が2回1安打無失点、4奪三振と好投。この結果を受け、中継ぎ登板を挟み、CSに向けた先発テストをする方針が決まった。現在、計算できる先発陣はジョンソン、黒田、野村の3人。新人右腕が4番目の座を狙う。
右腕が視線を独り占めした。うなる剛球。中軸打者のバットは、ことごとく空を切った。2回を1安打無失点に抑え、奪三振は3者連続三振を含む4個。岡田がCSでの先発入りに向け、猛アピールする快投劇を演じた。
「ストレートは走っていました。捕手がそれを感じて、配球を組み立ててくれた。それが良い結果につながったと思います」。バスへと向かう通路。時折、笑みを浮かべながら投球を振り返った。
五回に出番が来た。先頭坂本に中前打を浴びたが「四球を出すよりはいい」と、気持ちを切り替えた。そこから奪三振ショーが始まる。阿部を直球で見逃し三振に仕留め、村田も速球で攻めた。ギャレットは高めのつり球で空振り三振。圧巻の3者連続三振で拍手喝采を浴びた。
回をまたいだ六回も自慢の直球でねじ伏せた。「上半身に力みがなかった。以前より真っすぐが良くなっている」。最速は151キロ。パワーピッチャーの本領を発揮した。
悲願達成から一夜。この日は大敗したものの緒方監督は「戦いはきょうから始まっている。結果を残した選手がこれからは残っていく」と言った。次の目標はCS突破。32年ぶりの日本一を目指して、戦力を整えていく。
懸案事項は先発投手の整備だ。リーグトップの14勝で並ぶジョンソンと野村、そして絶対的な信頼を寄せる黒田の3本柱は決定済み。彼らに続く4番手を模索する。「岡田は中継ぎを挟んで頭で行ってもらう」と畝投手コーチ。この日好投したドラ1右腕が候補入り。そのほかには、薮田や首痛で抹消中の福井の名前が挙がる。
夏場に右肩違和感のため2軍再調整を余儀なくされた岡田。復帰後は中継ぎとしてチームを支えてきた。巡ってきた絶好のチャンス。「先発をずっとやってきたので」と静かに闘志を燃やした。
前夜のビールかけでは、緒方監督や黒田に美酒を浴びせた。「最高に楽しかった。何度でもやりたい」。CSを突破すれば、今度は本拠地での歓喜が待つ。自らの手で先発の座を勝ち取り、勝利への道を切り開いてみせる。