塹江泣くな…初登板は1/3回6失点 “大野豊超え”防御率162・00
「巨人8-0広島」(11日、東京ドーム)
念願のプロ初登板。待っていたのは悪夢だった。広島・塹江敦哉投手が1/3回4安打6失点で降板。「普段より力が入った。勢いだけでは抑えられないのは分かっていたけど…」。プロ2年目の19歳左腕が表情を失った。
この日、2度目の1軍昇格。七回に登板すると、出はなをくじかれた。長野への初球。低めの直球を左中間席まで運ばれた。
動揺を鎮められず、亀井に左前打を許すと、坂本には1球しかストライクが入らずに四球。さらに阿部にはストレートの四球を与えた。「せっかく坂本さん、阿部さんと勝負できたのに、そこが一番反省」。一流のレベルを肌で感じるチャンスも逃してしまった。
1死後に連続適時打を浴びて1死一、二塁で降板。三塁ベンチに戻ると、緒方監督から肩をたたかれた。「1つアウトを取ったやないか。次は2つ取れよ」。指揮官はもう一度、チャンスを与えることを明言した。
その後、代わったオスカルが走者をかえしたため、防御率は162・00となった。かつてOBの大野豊はプロ初登板で1/3回5失点。防御率135・00を記録したが、それを上回る不名誉な“大野超え”となってしまった。
だが、同じ左腕の偉大な先輩は初登板の悔しさを糧に成長した。「目標は1年を通して戦うこと」。塹江も同じ道を目指し、再スタートを切る。