鈴木誠也27号!前田智徳に並んだ 高卒4年目で…広島23年ぶり
「広島8-0中日」(16日、マツダスタジアム)
心地よい快音が、広島の夜空に響き渡った。見ている者すべてが感嘆した完璧なアーチ。真っ赤に染まったスタンドから沸き起こった大歓声が、ダイヤモンドを回る広島・鈴木誠也外野手に降り注いだ。
「まぐれです。打席に入る前はどうやって入ろうかと思っていましたが、集中して入ることができました」。場面は三回、4点を奪い、なお2死一塁。カウント2-1からの4球目、バルデスの138キロ直球を捉えた。打球は一直線で左翼席上段の看板に直撃。27号2ランでこの回一挙6得点を奪った。
広島選手の高卒4年目での27本塁打は、93年前田智徳以来、23年ぶり。気合の一発で“天才”に並んだ。「うれしいです」と素直に喜びを口にした。
強い危機感を持って臨んだ今季。「結果を出さないと自分の方向性が決まってしまう。左投手が先発ならスタメン、右投手なら代打。そういうことになりかねない」。その必死の覚悟があったからこそ、すべての打撃成績でキャリアハイを記録し、定位置の座をつかむことができた。
「今年は、自分で何かしらいいモノを見つけていけたらと思っている。1打席1打席、もったいない打席にしたくない。集中して入れている」。急成長を遂げた若鯉は、最後まで気を抜かない。