丸が自身初20号!2年連続19発…珍アシスト?で「壁越えられた」
「広島3-5中日」(17日、マツダスタジアム)
広島の丸佳浩外野手(27)が自身初となる20本塁打に到達した。八回、左翼方向へはじき返した打球を左翼席のファンが捕球。リプレー検証の結果、ホームランと認められた。昨季まで2年連続で19本塁打だったが、ようやく壁を越えた。守備では五回に中前打を後逸。この回3失点のきっかけをつくったが、CSファイナルSへ気持ちを引き締め直した一発になった。
橘高塁審の場内アナウンスに、球場が沸いた。「観衆の妨害行為はなしと判断し、判定通りホームランとします」。丸が自身初のシーズン20本塁打に到達した。
昨年まで2年連続19本塁打。3年越しの目標達成は、リプレー検証の末に実現した。「去年、おととしと越えられなかった。一つの壁を越えることができて良かった」と安どの表情を浮かべた。
“事件”は八回1死一塁で起こった。丸の打球に左翼手・工藤がフェンス際でジャンプして捕球を試みたが、スタンドのファンがキャッチ。丸が二塁を回ったところで一度は本塁打と判定されたが、観客が工藤の守備を妨害したかどうかを確認するため、審判団がリプレー検証に入った。
「ボールにいい感じで入っていけた。(観客の捕球は)見えていなかった」と丸。ベンチで気をもみながら判定を待ち、約10分後に20号2ランが認められた。「今季は20本打つということを強く思っていたと思う。逆方向にいいホームランだった」と緒方監督。自己記録を塗り替えたチームリーダーに目を細めた。
本塁打には笑顔を見せた丸だったが、守備には表情を曇らせた。「打撃内容が良くても、あそこ。あれから(ヘーゲンズが)バタバタした」。五回1死、森野の何でもない中前打を後逸。三塁まで進塁を許し、この回3失点の引き金になった。
CSファイナルSは4勝先勝。1勝のアドバンテージはあるが、1つのプレーがその後の流れを大きく変えることもある。丸もそれを十分に理解する。「守りを中心とした野球がテーマ。守備で足を引っ張ったら話にならない。次は、こういうことが起こらないようにしたい」と気持ちを引き締めた。
日本一を勝ち取るために、乗り越えねばならないCSファイナルSは10月12日から。今季残り6試合だが「モチベーションどうこう言われるんじゃなく、気持ちを入れてやってほしい」と緒方監督。心技体を充実させて大一番に臨むため、1試合も無駄にはしない。