19歳・塹江、度胸満点プロ初先発!来季ローテへ羽ばたけ
「DeNA3-1広島」(19日、横浜スタジアム)
広島の塹江敦哉投手(19)がプロ初先発で堂々の投球を披露した。初回にロペスに2ランを浴び、プロ初黒星を喫したが、二回以降は得点を許さず、毎回の6奪三振で5回を2安打2失点。来季を見据えた戦いの中で、2年目の左腕が存在感を発揮した。緒方孝市監督(48)ら首脳陣も成長を認め、来季の先発ローテ入りに期待を寄せた。
小雨を切り裂くように勢いよく左腕を振り下ろした。プロ初の先発マウンドに上がった塹江は、この日最速150キロの直球を軸に度胸満点の投球を披露。5回2失点にまとめ、首脳陣にアピールした。
初回1死一塁からロペスに左翼席場外へ特大2ランを被弾。あっさり先制点を献上した。だがここで崩れることなく、二回以降は見違えるような投球。「ホームランを打たれたけれども、丁寧に投げることができた」と胸をなで下ろした。
高松から駆けつけた両親の前で堂々の投球。試合前には「頑張って」と激励された。その言葉を胸に、塹江は80球を投げ切った。
1軍出場を目標に掲げて臨んだ今季。デビュー登板となった11日・巨人戦(東京ドーム)では、中継ぎで1アウトしか奪えず6点を失い、防御率162・00。悔しさだけが残った。それでも2試合目の16日・中日戦(マツダ)で1回無失点と好投。先発のチャンスをつかみ取った。
「だいぶ進歩した。投げている中でしっかりいいものを見せてくれた。この経験を経てまた1つ上に上がれるように感じてほしい。来季以降、戦力として育ってほしい」と緒方監督。畝投手コーチも「今日投げたことをいい経験にして、来年につなげてほしい」と、日々成長する左腕に期待を寄せた。
昨季は3軍の強化選手として1年間、体作りに専念し、プロで戦う土台を築いた。「1軍で投げたい」。その強い思いから、オフシーズンも休むことなく母校の高松北高で練習。弱点とする下半身を強化するために、走り込みとネットへの投げ込みを続けた。
2年目の19歳。「自分の特色を出して、しっかり長い回を投げられるようにしないといけない。来年、ローテに入っていくには打者と対戦して抑える確率を上げていかないといけない」。階段を駆け上がるためにも、克服しなければならない課題は分かっている。
今後は登板機会がないため出場選手登録を抹消される。「今日のマウンドをよかったと思えるように成長したい」。この経験を糧に、来季は飛躍する。