中崎が復活手応え45球 4日“全力投球テスト”でCS登板を判断
広島は2日、マツダスタジアムで全体練習を行い、12日から始まるCSファイナルSに向けて調整を開始した。右腰を痛めた中崎翔太投手(24)が負傷後、初めてブルペン投球を行い、45球を投げた。回復は順調で、4日にも再びブルペンに入る予定。その投球次第で、CSに登板できるかどうかを判断する見込みだ。
確かな手応えを、中崎は感じとっていた。9月23日に腰痛を発症以来、初のブルペン入り。全力投球はまだ先ながら6割程度の力で右腕を振った。復帰へ向けてまた一歩、階段を上った45球。言葉にも自然と力がこもった。
「キャッチャーを座らせて投げて、感覚は悪くなかった。予定通りですね。全力で投げてみないと(痛みが出るかどうか)分からないけど、良くなっていると思います」
12日に幕を開けるCSファイナルS登板から逆算して調整を進めてきた。9月29日にキャッチボールを再開。徐々に距離を伸ばし、60メートルの遠投が可能になってこの日につなげた。今後は中1日の間隔で4日に再び投球練習を行う予定だ。
復帰プランには2度の実戦登板が組み込まれており、畝投手コーチは「順調に来ている。次のブルペン次第で、試合に投げられるかどうかを判断する」と説明した。緒方監督も「見切り発車はしない。投げられないと判断すれば外す。無理はさせられないし、負けたら自分の責任」と話しており、4日がCS登板が可能かどうかの分かれ道になりそうだ。
守護神不在となれば、その影響は計り知れないが、緊急事態への備えに怠りはない。9月29日の巨人戦(東京ドーム)から2試合連続で今村を九回に起用した。これまで七回を担ってきた今村の代役は大瀬良や一岡が務める見込み。「シーズン中、故障者が出れば全員でカバーしてきた」と指揮官が話す通り、ナインの底力に対する信頼は不変だ。
「あした(3日)の状態を見ながら、あさって(4日)ブルペンに入って力強く投げたい」。中崎は顔を上げて、しっかりと前を見据えた。25年ぶりに成し遂げたリーグ優勝は、背番号「21」の存在なくして語ることはできない。復活を信じて待つのみだ。