黒田無念「自分の責任。結果がすべて」日本Sでもう一度カープのために…
「セCSファイナル・第3戦、広島0-3DeNA」(14日、マツダスタジアム)
敗戦を、広島・黒田博樹投手は背負い込んだ。DeNAファンの歓喜の歌声が響くベンチ裏で、ゆっくり言葉を紡ぐ。「結果的にこうなったので自分の責任。結果がすべて」。5回、89球を投げ7安打3失点。王手をかけて迎えた自身初のCS登板は、悔しさだけが残る一戦に終わった。
失点はいずれも2死からだった。0-0の四回は、倉本に中前打を浴びた2死一塁からエリアンに右越え2ランを被弾。「安易にいき過ぎた」。ストライクを狙った141キロの内角ツーシームをうまく捉えられ「防げる点は防がないと。2ランは防がないといけなかった」と唇をかんだ。
五回は2死三塁で筒香と対峙(たいじ)。緒方監督は「勝負にいけと伝えた」と明かしたが、2ボールとなったところでバッテリーは勝負を避けて敬遠気味の四球を選択。しかし結果的に裏目に出た。左手の薬指を骨折して満身創痍(そうい)の梶谷に右前適時打を浴び3点目を失った。
1日のヤクルト戦(マツダ)から、8日の紅白戦1試合に登板し、この日を迎えた。10日の練習日には、キャッチボールの最中に右肩付近を気にするそぶりを見せ、翌11日の練習後にはトレーナーを車に乗せて球場を後にする出来事があった。状態が万全でないのは明らか。それでも右腕は「いつもと変わらない」と言い訳しない。登板回避という選択肢はなし。チームを第一に考え、全身全霊で登板に踏み切った。
25年ぶりのリーグ優勝を勝ち取った9月10日の巨人戦(東京ドーム)でも先発し、悲願を手繰り寄せた。その再現はならなかったものの、チームには大きなアドバンテージがある。「一つ負けたくらいで、みんなの気持ちは変わらない。またあした、切り替えて戦っていく」。後輩たちに夢の続きを託す。自らは日本シリーズでの登板を見据えて調整を始める。