黒田、九回投げきれない体に「歯がゆさというのは常にあった」
広島の黒田博樹投手(41)が18日、今季限りで現役引退を発表するとともに、広島市内のホテルで会見を行った。会見では、引退を決断した理由の一つにチームの25年ぶりリーグ優勝を挙げ、「みんなの力で優勝を経験させてもらった。最高のシーズンを送れたので、悔いはないです」などと語った。会見後も報道陣の取材に応じ、胸中を語った。一問一答は以下の通り。
-引退決断まで悩んだか。
「悩んだというか、今年始めた時点でこうなるだろうなという覚悟はあった。日本シリーズに進出できたというのは大きかった」
-体の状態は。
「それは日本シリーズ終わってから。まだ登板があるので」
-会見では穏やかな表情だった。
「やっぱり一番は選手に伝えなきゃいけないという、そういう気持ちもあったので。今日伝えられたというのは、自分の中でほっとしたというか、どこかで最後、真剣勝負する前に伝えなきゃいけない、そういうのはあった」
-日本シリーズでは登板がある。
「確かに難しさはあるかもしれないですし、こういう発表した後なので周りの選手にいろいろ迷惑がかかることがあるかも分からないですし、葛藤もあった。ここまで来たら、今まで一緒に戦って来たメンバーには自分の口から伝えたいなと思っていました」
-心境の変化は。
「自分で自分の引き際を決めるわけなので、それはそれなりに大変だと思うんですけど。そういう自分の引き際を間違えないために、今まで一生懸命やってきた部分もあるので。こういう引き際を選べたというのはよくやってきたなという気持ちはあります」
-意志が固まったのは。
「松田オーナーにあいさつに行った時に言わせてもらったんですけど、今まで先発して完投してというスタイルをずっとやってきたんですけど、やっぱり九回投げきれない体になったところで、他の選手に対しての示しというか、見せることができない歯がゆさというのは常にあったので。そういう部分も大きかった」
-日本シリーズ進出の影響は大きかったか。
「当然大きかったと思いますし、自分の中ではそういう経験をさせてもらったというのは本当、周りに感謝したいです」
-優勝を果たせなかったとしても、この決断に至ったか。
「でもそれは分からない。自分の中ではどういう心境になっていたのかも分からない」
-緒方監督とも話をしていた。
「松田オーナーのあいさつの後には、緒方監督のところにも行かせていただいて、いろいろ話をさせてもらった」
-練習前、選手の前で報告した。
「一番、一緒に戦った仲間ですから、選手だけでなく首脳陣、監督含め裏方さんも含めてですから、(引退発表会見と)その順序になってしまった」
-日本シリーズでの登板に向けて。
「どういう心境で、どういうマウンドになるのか全然分からないですけど、いつも通り変わらず、今までは今日が最後だと思ってマウンドに上がっていたのが本当、リアルにくるわけなので、どういう心境になるのか想像はつかないです」