【黒田の引退会見全文1】出し切った充実感があります
今季限りでの現役引退を表明した広島・黒田博樹投手(41)が4日、全日程を終えたことでマツダスタジアム内で、あらためて引退会見を開いた。会見の内容は以下の通り。
◇ ◇
-20年お疲れさまでした。いまの心境は。
「シーズンが終わって少したった。実感はないが、時間がたつにつれて実感し始めているところです」
-さみしさ、安心感は。
「ホッとしたのが一番。今年1年、ケガなく、少しでもチームに貢献できたかな、という安心感です」
-シリーズを振り返って。
「結果的にチームが日本一になれなかった悔しさはあるが、自分の中では出し切った充実感があります」
-もう一度、マツダで投げたかった。
「第7戦までいくと投げるつもりでいた。日本一になるために投げたかったが、こればかりは勝負事。最後の最後で勝負の厳しさを思い知らされた」
-最後にファンに向けて手を振った。
「こうやってユニホームを着て、一緒に戦った仲間と会うことがある。いまの時点では実感がない」
-後悔は。
「出来過ぎの野球人生。最後はこういう形でリーグ優勝できた。僕の中では満足できる野球人生だった」
-チームメートに対しては。
「みんな1人、1人にありがとうという気持ちを伝えた」
-新井には?
「しょっちゅう会ってるんで。彼もまだあまり実感がわいてないです」
-(日本シリーズでの)最後の1球については。
「自分では、これが最後と思って投げていなかった。気持ち的にはまさかこのボールが最後の球になると思ってなかったので。あまり考える時間と余裕もなかった」
-プロ野球人生最後の打者が大谷となった。
「僕自身はもう少し長いイニングを投げたかったですが。いい思い出になりました」
-1球の重みは。
「1球、1球が、僕の中で充実していた。ファンの声援を背中に受けて(マウンドに)上がる。苦しい中で充実感と幸せな気分になった。最高の締めくくりができた」
-印象に残った1球は。
「難しいですね(笑い)。リーグ優勝した試合もそう。ゆっくり時間をかければ出てくるかもしれないが。リーグ優勝した試合でマウンドにいることができた。僕の中では大きかった」