誠也、V満塁弾 侍でも神ってる!3安打6打点の大暴れに「最高でーす」
「侍ジャパン強化試合、オランダ10-12日本」(13日、東京ドーム)
野球日本代表「侍ジャパン」が13日、強化試合第4戦のオランダ戦に臨み、広島の鈴木誠也外野手(22)が劇的な満塁本塁打で試合を決めた。2試合連続のタイブレークとなった延長十回、1死満塁で左翼席に代表初アーチとなる豪快な一撃を放った。この日は3安打6打点の大暴れ。来年3月のWBC本戦へ猛アピールした。神ってる男は、侍ジャパンでも神ってた!
「鈴木誠也」を呼ぶ声が響いた。試合後は勝利球を右手に持ち、大谷と劇的な一発の余韻に浸る。「最高でーす」。球場が沸く。一振りで決めた。高々と舞った白球に騒然とするスタンド。大谷が規格外の認定二塁打なら、「神ってる」男は決勝の満塁本塁打だ。
「追い込まれていたので、なんとか自分のスイングをしようと。ああいう結果になって本当にうれしいです」
延長十回。2戦連続のタイブレーク。1死満塁で打順が鈴木に巡った。前打者の筒香が四球。ボルテージは最高潮に達した。右腕ケリーに対して2-2から5球目。高めに浮いたカットボールを狙った。鋭い打球は瞬く間に左翼スタンド最前列まで到達。満塁弾だ。
代表で記録した初本塁打。初戦でスタメンを告げられると「吐きそうです。打席で吐いちゃうかもしれない」と弱音をこぼした。「きょうも吐きそうでしたよ」と、日々感じる日の丸の重圧。だが小久保監督がミーティングで話した言葉が強烈に耳に残っていた。全選手を前に代表の心構えを求めた一言だ。
「この4試合でできないことは、WBCの本戦ではできない。すごく重圧が掛かる。ベストなパフォーマンスを出せるように、思い切って戦ってほしい」
流れにも乗った。七回。同学年・大谷の認定二塁打で球場の雰囲気が一変した。菊池、山田ら4連打で2点差に迫り、なお1死二、三塁で左中間へ同点二塁打。二回にも左翼線二塁打でチャンスメークした。課題の「筒香の後を打つ男」。初戦から内川、坂本、大谷を試し、この日は鈴木。期待以上の結果を残した。
「代表のユニホームを着て活躍したいと思っていた。WBCはもっと重圧が掛かる。もっともっと練習して勝てるようにしたいです」
強化試合4戦で、3試合にスタメン出場。計16打数5安打6打点と、初選出で確かな足跡を残した。来年3月の本戦に向けたアピールに成功。劇的な2016年を衝撃の満塁弾で占めて「神ってるー!!」と自賛した。さあ、2017年。大谷と2人、22歳が「侍ジャパン」の顔になる。