連覇へ日本一へ 鯉ナインに0・02秒短縮指令! 機動力進化で追随許さん

 右手にストップウォッチを持った河田コーチにタイムを計ってもらいながら盗塁練習をする野間 
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 機動力を進化させ、2連覇へ。広島の秋季キャンプが13日、宮崎県日南市の天福球場などで行われた。個々のレベルアップが求められる今秋、テーマの一つに掲げられているのが盗塁技術の向上だ。今季はリーグ最多の118盗塁を記録したが、さらなる上積みを目指し、今キャンプで各選手に課せられた目標は二塁までの到達タイムを0・02秒縮めること。ライバルの追随を許さないためにも走力に磨きをかける。

 勢いよくグラウンドを蹴り上げると、黒土が跳ね上がった。低い姿勢を保ちながら加速して、二塁へ向かう。現有戦力の底上げが課題の今秋。盗塁技術向上もテーマに置かれている。目標は二塁到達までの時間を0・02秒短縮することだ。

 「シーズンの最後の方はアウトにされた。疲れがたまり、仕方がない部分はあったけど、走り方が良ければセーフになることもある。0・02秒と聞けばわずかに映る。でも数十センチは前に行ける。それだけ行ければタッチをかいくぐれる」。河田外野守備走塁コーチは狙いをこう説明した。

 盗塁を成功させるためには「スタート」「スピード」「スライディング」の「3S」が重要だと言われている。チームはまず、スタート技術の改良に着手。その練習法は特殊で、選手が長いゴムを腹部に巻き、ピンと張った状態で走り出すというもの。「力がなければゴムに負けてしまう」と梶山アスレチックトレーナー。力強く地面を蹴って前に進むことで、スタート力を磨く。選手はその後、河田コーチがスマートフォンで撮影した映像をすぐさま確認。実際の動きを目で見ることで、イメージとの誤差を修正し、次の練習に生かしていく。

 今季、リーグ2位の28盗塁をマークした田中は「来年はもっと成功率を上げたい。意欲を持って走塁練習をしている」と力を込めた。人工芝などグラウンドによってタイムは異なるが、マツダスタジアムで二塁までの到達時間は、田中が約3秒29、丸は約3秒33。一般的に投手が投げ、捕手が二塁へ送球する合計タイムは平均で3・3秒。その数字以内ならセーフになると言われている。計算上では「0・02秒」縮めることができれば、成功率はさらに高くなる。

 チームは今季、リーグ断トツの118盗塁。機動力野球の復活が悲願を成し遂げた一因だが、来季他球団が対策を講じてくるのは間違いない。河田コーチは「何もしないで今年と同じような成績を残すのは難しい。でも技術を身に付け、同じかそれ以上の数字を残せればいい」と前を見据えた。リーグ2連覇を勝ち取るための準備は、決して怠らない。

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