カープ大瀬良『九共大魂』継承誓った 憧れの新垣先輩引退で決意

 広島の大瀬良大地投手(25)が8日、“九共大魂”を継承することを明かした。九州共立大の先輩で、憧れの存在だった新垣渚氏(36)=前ヤクルト=が今季限りで引退。さみしい気持ちはあるが、今後は自らが活躍して後輩たちに希望を与える存在になると誓いを立てた。前日に優勝旅行先のハワイから帰国したばかりにもかかわらず、この日はマツダスタジアムで自主トレを敢行。先発復帰する来季へ向けて準備を進めた。

 憧れだった存在がユニホームに別れを告げた。大瀬良は前ヤクルト・新垣氏の引退を惜しみながらも、新たなモチベーションに変えた。大学生だった頃、新垣氏の活躍はプロを目指す過程で大きな力になった。今度は自分が後輩たちの目標になる-。その決意を言葉にした。

 「さみしい思いは、あります。目標というか、新垣さんを見て頑張ってきた自分がいたので。今度は、僕が後輩に『あの人みたいになりたい』と思ってもらえるように、長くプレーしたいと思います」

 九共大は新垣、馬原(前オリックス)ら数多くのプロ選手を送り出してきた名門。仲里前監督(現名誉監督)から、彼らの話を何度も耳にしてきた。「私生活をしっかりとしていたので活躍できるんだ、と聞かされてきました」。先輩たちはプロでも輝く姿を見せていただけに、その言葉には説得力があった。

 そのDNAを受け継いだ大瀬良は、自らを律して夢の道を切り開いた。現在、同校OBで来季の現役続行が決まっているのは自分を含め3選手。最高峰の舞台で脚光を浴びて、後輩たちに刺激を与える意気込みだ。

 7日に優勝旅行先のハワイから帰国。一夜明けたこの日は「朝6時に起きました」と笑顔。時差ぼけもなく、マツダスタジアムに隣接する室内練習場などで精力的に体を動かした。岡田とのキャッチボールでは習得中のフォーク、ツーシームに加え、中継ぎでは封印していたチェンジアップとカーブを解禁した。

 「先発に戻れば、リリーフのときとは球種が違ってくる。満遍なく投げていきたい」。昨年のこの時期は、シーズンでフル回転してたまった肩の疲労を考慮し、球を握らなかった。今年は違う。ハワイでもキャッチボールを行っており、「感触はいい。握りも確かめられている」と、春季キャンプに向け着々と準備を進めている。

 今月末には北九州市内で行われる、九共大出身のプロ野球選手後援会のパーティーに出席する予定だ。毎年、参加者の激励に感謝し、力に変えてきた。先発に復帰する来季。パワーピッチャーの迫力を見せつけ、後輩たちの自慢の投手になってみせる。

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