安仁屋氏、来春Cも臨時コーチ!カープ連覇へ“生き神様”再び降臨
Vの使者再び-。広島が来春キャンプに、OB会長の安仁屋宗八氏(72)=デイリースポーツ評論家=を臨時コーチとして招へいすることが25日、分かった。2年連続の要請で、今季は25年ぶりのリーグ優勝に尽力。現役引退した黒田の穴を埋めるべく、投手力強化を求める緒方孝市監督(48)が直々に要請した。同氏も快諾する意向で、近日中に球団から正式発表される。
カープの“生き神様”に連覇の命運を託す。来季就任3年目を迎える緒方監督の要望で、OB会長の安仁屋氏に来春キャンプの臨時コーチをオファーした。本人も受諾する意向で2年連続の就任となる方向だ。
来季のリーグ連覇、日本一に若手投手の底上げは急務。そんな中、「安仁屋さんは生き神様」という指揮官は「(安仁屋氏の)発信する言葉は新鮮に映ると思うし、(若手には)成長のきっかけにしてほしい」と訴えた。
投手王国再建、連覇の使者として安仁屋氏にかかる期待は大きい。今春キャンプでも臨時コーチを務め、25年ぶりリーグ優勝に貢献。現役時代に先発、中継ぎで通算119勝、指導者としても80年代の投手王国を支えた実績がある一方で、今春のキャンプでは選手を前にミーティングで「投げろ」「走れ」「飲め」と指令。黒田らベテランと若手の間に入り、チームの雰囲気作りにも力を注いだ。
安仁屋氏の指導も奏功したことで、今季のチーム防御率はリーグトップの3・20。キーマンに挙げた野村が最多勝を獲得するなど効果は表れている。ただ来季は安泰ではない。精神的支柱となっていた黒田が今季限りで引退。“ポスト黒田”の育成、台頭が求められる中、てこ入れに安仁屋氏の力が必要だと指揮官は考えている。
今どきはブルペンで球数を投げないのが主流だが、安仁屋氏には投げ込むことでフォームを作り上げるという持論がある。緒方監督は若手に対し、投げ込まない練習法を尊重しつつも「いろんな方法を学んでほしい」と促す。
安仁屋氏は今春のキャンプで投げ込みや走り込み以外にも、四球や死球を恐れぬ内角攻めを信条に、選手に厳しい練習を課した。また、05年オフの1軍投手コーチ退任以降も評論家としてチーム事情に精通。今季もマツダスタジアムの全試合を観戦するなど、選手の力や個性も把握している。ドラフト1位・加藤(慶大)や同3位・床田(中部学院大)の即戦力新人の育成にも期待がかかる。
近日中に球団と契約を交わし、正式に発表される。来春は日南キャンプ途中から、沖縄キャンプも帯同する予定だ。緒方監督が理想として掲げるのは、投手中心の守り勝つ野球。気心知れた畝、小林両投手コーチとともに投手王国を構築していく。リーグ連覇、33年ぶりの日本一へ、経験豊富な安仁屋氏が再び重責を担う。