大瀬良が新年の誓い 鯉投の柱になる!黒田さんから学んだ野球への姿勢…

 広島・大瀬良大地投手(25)が4年目を迎える今季、先輩としての責任感や先発再転向へ向けた現在の心境などをデイリースポーツに明かした。

 ◇  ◇

 デイリースポーツ読者の皆さん、明けましておめでとうございます。大瀬良大地です。今年は勝負の年だと思って1日の朝を迎えました。先発で結果を残して、少しずつカープの柱になっていけるように一歩踏み出したいと思います。

 これまでは「14勝」とか「200イニングを投げる」とか言ってきましたが、今季は数字的な目標を掲げるのではなく、最終的にそこまでたどり着ければいいと思います。一番はけがをせずにローテーションを守り抜いて、規定投球回数はクリアできるように。そうすればおのずと結果もついてくると思う。

 4年目になったので、1、2年目と同じような立場ではいけない。後輩の手本となるような普段の姿であったり、言動であったり、しっかりと自分を見つめ直して結果を残したいと考えています。

 今はけがをしない体作りを中心に、全体的なトレーニングの強度を上げてやっています。その中で肩周りなど(関節)の柔軟性をつけることで、今強くしている筋力を最大限、投球に生かせるようにと意識しながら取り組んでいます。

 一昨年までの2年間は、がむしゃらに何も考えずに一日一日を過ごしてきました。去年の春季キャンプで(右)肘を痛めて離脱してしまいましたが、ただがむしゃらにやっているだけで負担もかかっていたのだと思います。もちろんケアはしていましたが、投げ方や体の柔軟性などの知識をつけて、自分の課題にフォーカスを当てて取り組むということはしていませんでした。

 1年前のこの時期も、また先発をするという中で、体をいじめられるだけいじめ抜いて、ああいう結果になってしまった。今年は体のケアや投球フォームをより大事にしながら、いいバランスの中で取り組んでいければと思います。

 去年は思うようにスタートできず、年間を通しても思うような形で投げることができなかった。今までにないくらいすごく悔しいシーズンでした。チームの活躍は複雑な気持ちで見ていました。ジョンソンとか(野村)祐輔さんや若い投手がいい投球をしているのを見ていて、早く戻らないと居場所がなくなってしまうと感じていました。

 成長できたこともあります。一昨年までは、マエケン(ドジャース・前田)さんに頼りっぱなしだったので、去年は自分で考えていかなければと思いながら取り組んでいました。試合中や普段の気持ちの波は、今までよりは浮き沈みが減ったと思います。しっかりと切り替えて次に向かっていけています。

 昨オフまではシーズン後はボールをほとんど触っていなかったので、1月にボールを投げるとぎこちなさを感じていました。僕の不器用さが出たと思います。今はボールを投げて感覚を忘れないようにし、フォームの見直したい部分にも取り組んでいます。

 また、僕は投げたがりなので、ボールを投げだしたら止まらない。ですが、時期も時期なのでしっかりと考えた中での球数であったり、気温などによって調整しながらやっていこうと考えています。

 2年間で黒田さんからは多くを学びました。まずは野球に対する姿勢。誰よりも早く来て体の調整をしていたり、ランニングにしても一つ一つ手を抜かないでやっている姿を見ていました。あれだけすごい方が、毎日、一生懸命そういう取り組みをしているのを見ていると、そこに成功の秘訣(ひけつ)やヒントが隠されているのではないかと思います。

 黒田さんは登板がない日の試合中でも、トレーニングルームにこもって調整されていた。試合前の調整方法とかをこっそりまねして、ブルペンに行く時とかには同じように股関節を動かしてから入ったりしていました。

 僕は股関節が硬く、股関節の動きを出してからしっかり肩を作って試合に向かう方が、体重の乗りもよかった。その分、球に力が伝わっているのかなという感じはありました。スピードは一昨年までよりは平均球速も遅いと思いますが、空振りを取っている確率はこれまでの2年間よりも多かったと思います。

 去年は困ったら真っすぐで空振りを取ってやろうという日もありました。そういう感覚はこれまでの2年間にはないものでした。股関節の動きだしがよかったことが要因なのかなと思います。

 プロ4年目を迎えますが、まだまだ課題もあります。試合の中での感性というのをもっと磨いていかないといけない。もちろん気持ちを込めて投げるのは大前提ですが、しっかり意図を持ってその1球を投げることが大事。考え方を変えて投げていけたら、投球内容もよくなっていくと思います。

 開幕から先発ローテに入るには、春季キャンプ初日からブルペンでアピールしていかないといけない。今はそこに照準を合わせて準備しています。連覇、日本一を目指すチーム。今年こそ、戦力になれるように活躍したいと思います。(広島東洋カープ投手)

 ◆大瀬良大地(おおせら・だいち)1991年6月17日生まれ、25歳。長崎県出身。187センチ、93キロ。右投げ右打ち。投手。背番号14。今季推定年俸4500万円。長崎日大から九州共立大を経て、2013年度ドラフト1位で広島入団。14年4月2日・ヤクルト戦(マツダ)でプロ初登板初先発。新人王(14年)。昨季成績は17試合3勝1敗4ホールド、防御率3.32。通算成績は94試合16勝17敗24ホールド、防御率3.64。

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