新井タジタジ…鯉党から「広島に帰る気はありませんか?」
【2011年11月20日付デイリースポーツ紙面より】 阪神・新井貴浩内野手(34)が19日、首都大学東京(東京都荒川区)で開催された「第2回予防医学指導士特別研修会」にゲスト講師として招かれ、研修生60人を前に講義を行った。広島ファンの受講生から古巣への思いを問われるなどして、汗をぬぐう場面も…。現在阪神と交渉中のFA権の行使に関しては、講義後「悩んでいる」と胸中を明かした。 4万6000人の前で豪快にフルスイングする男が、60人を前に顔を赤らめた。知人の教授に依頼された「予防医学指導士特別研修会」の特別講師。新井はプロ野球選手の体調管理を主題に20分間、堂々と講義を行ったが、最後に想定外のハプニングが待っていた。 「広島ファン」を名乗る岡山大学の荻野景規教授から際どい質問が飛んだ。「FAで悩んでらっしゃるようですが、広島に帰る気はありませんか?」。それまでピンと張り詰めていた教室が笑いの渦に包まれた。タジタジの“新井先生”は一呼吸置いて、「新聞記者もお見えです。変なことを言えば、明日の新聞がすごいことになりかねません」と笑顔でかわした。 「沖縄出身の広島ファンです」と起立した研修生からは「キャンプで沖縄に来られますね。練習も含め、広島と阪神の環境の違いはありますか?今のご自身の心も教えてください」と問われた。 「(07年オフに)FAで迷っているとき、金本さんから『阪神は世界が違う』と聞かされました。巨人より厳しい環境と言われることは4年間経験して分かった。阪神はもちろん、広島のことは好きですし、育ててもらった恩義は感じています」。金本が現在も鯉党を大切にする思いと同様、新井も古巣ファンの直球をはぐらかさなかった。 「緊張した」。講義を終え、大きく息を吐いた新井。交渉中のFAについては「悩んでいる」とポツリ。どこに行っても、渦中の人であることは変わらなかった。