金本“三冠王Tシャツ”で新井イジリ

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 右肩棘(きょく)上筋断裂から完全復活を目指す阪神・金本知憲外野手(43)が11日、今キャンプ初のランチ特打で快音を連発。97スイングで4連発を含む33本の柵越えを放った。12日にはシートノックにも参加する予定。和田監督が可能性として示唆する4番復帰が次第に現実味を帯びてきた。

 日増しに高く、強くなる弾道が、鉄人の状態を物語った。1球、1球に大きくなる歓声。土曜日で埋め尽くされたスタンドは、金本の完全復活を確信したに違いない。隣で打つブラゼル、マートンを大きく上回った33発のGO砲。シーズン開幕へ死角は見当たらない。

 ランチタイム特打に金本、マートン、ブラゼル。豪華な顔ぶれが並んだ。右ケージに入った鉄人は、多田打撃投手と対した。徐々にスイングを強めると、9球目で1本目の柵越えをマーク。ここから次々に、スタンドまで白球を運んだ。3度の3連発と、最高で4連発も記録。大きなフォロースルーから、打球はグングンと伸びていった。

 97スイングで実に33発。ブラゼルは71スイングで21本、マートンは75スイングで18本の柵越えだった。3人の重量級打者の中でも際立つアーチの数と比率。統一球をモノともしない打球に、片岡打撃コーチは「すごくよかったですね。昨年より(球を)はじいている。バットの振りがいいんですね」と絶賛した。

 首脳陣だけではない。鉄人の驚異の回復力に、視察したDeNAの偵察部隊も戦々恐々だ。「調子いいんじゃないですか。昨年はあまり打っていなかったのに、今年は(特打も)やっていますから」と横山スコアラー。3月30日の開幕戦(京セラドーム)に向けて「どこかが悪そうに打ってるわけじゃない。状態はいいですね」と警戒心を強めた。

 金本は特打後、サブグラウンドで、強化ランニング。50メートル、40メートル、30メートル、20メートル、10メートルを各5本。伊藤敦トレーニングコーチに「僕はアピールです!」と言いながら、若手と同じメニューを消化した。12日にはシートノックにも参加する予定。右肩の張りで第2クールでは見合わせたが、山脇守備走塁総合コーチは「状態はええから、天候次第であした(シートノックに)入るよ」と説明した。

 帰り際には新井「三冠王」Tシャツで登場。併殺王に失策王、小さく打点王と書かれた服を「このTシャツええやろ。ここ(袖)は『マイナス25』や」と満面の笑みで披露。新井は「何もないです」と“黙秘”を貫いたが、愛のある弟分へのイジリも絶好調。進退を懸けて挑む2012年シーズン。鉄人の復活劇を期待せずにはいられない。

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