これだけ球種が豊富な投手は今、いない

 【関本四十四の「ひとにらみ」21】

 いやはや、本当に大したもんだと思う。不敗の「日曜神話」を続けている巨人のルーキー、高木勇人投手(25)=右投げ右打ち=のことだ。

 3月29日の開幕3戦目、DeNA戦の先発に抜てきされて、プロ初登板初先発を白星で飾った。

 変化球を磨いて変身を遂げた結果だった。今コラムで自分の投球スタイルを一度モノにすると、こんなタイプは視界がグッと広がると記した。実際、その通りになってきた。

 いまの高木勇を見ていたら、上原浩治(現レッドソックス)を思い出した。99年、ルーキーながら20勝4敗という素晴らしい成績を挙げた。この時も確か、「サンデー上原」と呼ばれたはずだ。

 高木勇、いまの球界でNO・1の投手じゃないか。まず、打者の左右に関係なく、ヒザ元への一級品のストレートがある。

 さらには大小のフォークやシュート系、さらに縦のカーブ、これだって一級品だ。さらに強調したいのは横のスライダー系の変化球がある。これらだって一級品だ。

 普通、タテ系の変化球を得意とする投手には横の変化球を教えない。両方を投げると、お互いの長所を殺してしまうからだ。

 だが、高木勇はすべて一級品のボールを4、5種類持っている。いずれもカウントを稼いだり、ここぞの勝負球にできる。そんな投手は現在いない。

 2、3種類しか球種持っていない普通の投手なら、対戦する打者はヤマを張ることもできる。読みが外れたら、見逃し三振も仕方ないとなる。

 だが、これだけ球種が豊富だと、打者はそう簡単にヤマを張れない。2、3球でカウントを0-2、1-2とできる。ヤマ張りはまず通用しないし、当たる確率だってかなり低くなる。

 どうやら、四球から崩れるタイプでもなさそうで、この点も上原と共通項がある。

 中6日で投げさせるのは惜しいくらいだけど、日曜日の登板はいまのところベストだろう。日曜日の午後2時プレーボールとくれば、社会人時代に数多く経験している。もってこいだ。

 上原は20勝4敗だったが、そんな欲張りなことは言わない。高木勇には13~15勝して負け数を5以下にして欲しい。

 1人で貯金を10個前後できれば、チームは大助かりだ。古くは「サンデー兆治」から「サンデー上原」、そしていまは「サンデー高木」。日曜日がやって来るのが実に楽しみだ。

(関本四十四=デイリースポーツ評論家)

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