絶好調9年目「ここ一番で打てる選手に」
【高知・梶田宙外野手】
やはり、ドッグスにこの人がいるのといないのとでは大きく違う。3番に復帰後、梶田宙が絶好調だ。
4月24日の初スタメン出場から、複数安打と気を吐いた。対愛媛前期3回戦(5月1日、高知)三回裏、今季1号となる左翼越えソロが飛び出している。打率も・355(5日現在)とリーグ4位に食い込んできた。取材を行った3日時点での成績は打率・391、出塁率・450という高い数字だった。
「すごい!こんなのないっスよ!僕が3番になってからですけど、後ろに河田(4番・河田直人)がいるんで、楽ですよね。去年は『なんとか自分で!』みたいな気持ちで打席に入ってましたけど、僕が打てんでも河田いるし。(河田への)信頼感があるんで。僕の中では」
中堅手としての存在感も大きい。ある投手は「チュウさんがいると“安心感”が全然違う」と口にする。開幕からの8連敗では、チャンスで打線に1本が出ず苦しんだ。だが、守備のミスから流れを変えてしまっていたのも事実だ。
「今までやって来て、守備は大事だなって思いますね。1個のエラーでピッチャーがガラリと変わっちゃうんで。簡単なミスから点数入っちゃいますからね。やっぱり守備が締まってないと。簡単なものは簡単にアウトにできるように」
昨年までの主将という立場ではなくなった分、逆に「言いやすくなった」と話す。だが、チームリーダーの1人であることに変わりはない。強く思うのは“プレーでチームを引っ張りたい”ということだ。出るからにはチームに貢献できるように。
「やっぱり、ここ一番で打てる選手になりたいですね。長くやってるっていうだけじゃなくて、ちゃんと野球選手としてしっかりしたプレーを見せられるように。まぁ、ケガしないのが一番ですし。なんとか打率よりも打点と出塁、そこら辺を今年は考えながらやっていきたいかなぁ」
アイランドリーガーとして誰よりも長い9年目。若い選手が彼から得るものは多い。ファンには「僕の出てる試合をいろいろ全部、楽しんでもらえたら」と話す。高知のすべてを見てきた男が、ここにいる。