【徳島・東　弘明内野手】

　いよいよ２４日、アイランドリーガーにとって運命のドラフト会議が行われる。宮崎でのフェニックス・リーグ、石川でのグランドチャンピオンシップと慌ただしく駆け抜けるなか、東弘明も大きな緊張の渦のなかにいる。

　だが、最終候補に残りながら指名に至らなかった昨年とは違う心の落ち着きがある。

　「去年より自信はあります。去年は全然、ほとんど行けると思ってなかった」。ＮＰＢに手が届かなかったあと１歩を埋めるため、守備の強化に取り組んだ。開幕直前「今年のテーマは？」と質問すると、すかさず「存在感です」と返ってきた。その気持ちは今も変わっていない。

　「ショート守らせてもらって“存在感”というか。内野手のリーダーになれるくらいの。キャプテンはマツさん（松嶋亮太三塁手）ですけど、自分が引っ張って行くくらいの選手に」

　存在感にこだわるきっかけはマッサージ中、菊地悦子トレーナーの一言だった。

　「キクさんに『どうしたら（ＮＰＢに）行けるんスかね？』って聞いたら『やっぱ、存在感じゃね？今まで行った人は存在感があったし』って」

　存在感を出すため、全試合フル出場を目指した。森山一人コーチ宅にある、ＤｅＮＡ・中村紀洋から送られてきたトレーニング機器を使い下半身を鍛えた。守備の１歩目が速くなり、打席での下半身のふらつきが少なくなった。「今年はよくやった」と自分に言える。ショートに飛べば大丈夫。そんな存在感がある。

　「しっかりグラチャンでアピールして、今までやってきたことを出せるように。悔いのない試合をして、両方ともいきます！」

　ドラフト指名と独立リーグ日本一。２つをかなえる大きなチャンスがいま、目の前に。