愛媛・東風平「総合Vの原動力に」
【愛媛・東風平光一投手】
開幕からの4試合すべてでマウンドに登り、対徳島前期1回戦(4月17日、JAアグリあなん)では先発して2勝目を挙げた。東風平光一(こちんだ・こういち)が早くもエンジン全開だ。
昨年8月、愛媛に途中入団した。それまでBCリーグ・群馬、信濃を渡り歩いている。大きな覚悟をもっての愛媛入団だった。
「BCリーグを自由契約という形でこっちに来て、やっぱり失敗が許されない立場っていうか。ここで採ってもらって結果が出せなかったら『もう場所がないな』と思って」
与えられた状況は絶対に抑える。強い意志をもって臨んだ2カ月間で、結果を残すことに成功する。9月に2勝、防御率0・47という好成績を残し、月間MVPも受賞した。
だが昨季、笑顔のままで終わっていない。初の総合優勝に王手を掛けた徳島とのチャンピオンシップ第4戦(14年9月28日、坊っちゃん)に七回途中からリリーフし、2点を許した。敗戦投手となり、愛媛は悲願の総合優勝を逃している。
「ああいった1点勝負の場面での気持ちの準備であったり、体の準備であったりが、まだ足りなかった」
しかし、その苦い経験が大きな糧となっている。
河原純一(元中日ほか)正田樹(元日本ハムほか)小林憲幸(元千葉ロッテ育成)らから得るものも多い。球速が伸びないことを悩んでいたとき、アドバイスをくれたのは河原だった。
「コントロールを意識しすぎて思い切り投げることを体が忘れてるから。遠投や短い距離のキャッチボールで思いっ切り投げてみれば」
効果はすぐに表れ、球速が戻ってきた。
「体にMAXの力を出させることを常に意識させる。キャッチボールのとき、意識してやったりしていますね」
副主将、投手リーダーとして、チームを引っ張る仕事も任されている。
「ドラフト指名されるために日々、どう取り組んで行くか。常に考えてやっていきたい。初の総合優勝の原動力になれるように」
充実の、そして最高の、独立リーグ3年目を目指す。