香川・岸本 北米遠征で手にした自信

 【香川・岸本淳希投手】

 6月29日、対オタワ・チャンピオンズとの第2戦、3対3の同点のまま九回を迎える。マウンドに登ったのは岸本淳希だった。この回を無失点でしのぎ、延長戦に突入する。

 十一回表、無死二塁から始まるタイブレークで味方打線が勝ち越しの1点を奪う。その裏、1死三塁のピンチを無失点に抑え、7試合ぶりの白星を手にした。

 「ここで点取られたら、また振り出しに戻るなって自分のなかで考えていて。こういう場面がアメリカ、カナダに来て多いので。『必死で抑えて勝とう!』という気持ちで投げました」

 自身も北米遠征での2勝目を挙げている。「何かひとつ、学んで来られたらいいな」。そう思って日本をたった。

 昨年11月、台湾で行われたウインター・リーグに参加して以来、2度目の渡航だ。マウンドの高さの違いも、すべるボールも、粉の出ないロジンバッグも。そのときの経験があるから、あまり影響はなかった。ただ、台湾では日本食が食べられた。それが北米遠征にはない。

 「『いけるかな?』と思ったんですよ。パンばっかりはちょっとキツいですね」

 試合のなかで感じるアウェー感はもちろん、言葉の問題、食事の問題と、海外だからこその不便さを感じる。だが、それもすべて経験だ。中日から派遣されたことの意味は、そんなところにあるのかもしれない。

 昨年、同じく中日から育成選手として派遣され、北米遠征も経験した川崎貴弘から「お前、絶対行ったほうがいいよ!」と言われたのだという。やはり経験は何事にも代えられない。

 「打たれたときの悔しさとか、九回出してもらってサヨナラされたとか。それはドラゴンズに戻ってからでも、気持ちの入れ方とかが変わってくると思います」

 北米遠征で学んだのはスプリットの精度アップだ。左打者に対しての変化球に自信を持ち始めている。

 マウンドに登るとき、いつも左足でラインをまたぐ。

 「とりあえず、目の前のバッターを1人、1人--」

 最後の対戦相手となるキューバ戦のマウンドにも、左足から踏み出して行った。

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