前田4位、実業団の意地!川内見返した

 「東京マラソン」(24日、東京都庁~東京ビッグサイト)

 前田和浩(31)=九電工=が2時間8分0秒で日本人トップの4位に入り、8月のモスクワ世界選手権代表を確実にした。デニス・キメット(29)=ケニア=が2時間6分50秒の大会新記録で初優勝。“元祖山の神”今井正人(28)=トヨタ自動車九州=は11位、初マラソンに挑んだ佐藤悠基(26)=日清食品=は31位に沈んだ。女子はこれが引退レースとなった尾崎好美(31)=第一生命=が、日本人トップの5位に入った。

 良くも悪くも“善戦マン”のイメージがつきまとったベテランが、自らの殻を破る快走を見せた。強風に翻弄(ほんろう)されたペースメーカーが、想定よりもかなり遅いペースを刻む中、レースは30キロ過ぎからケニア勢が一気にスパート。これに日本人で唯一ついていったのが、前田だった。

 昨年の東京マラソンでは、25キロ過ぎの藤原新のスパートについていけず、日本人2位。ロンドン五輪を逃した。「去年はそれで失敗した。今回はついていく」。30~35キロは14分39秒というハイラップで食らいつくと、給水では愛飲するコーラで爽快感と糖分をチャージ。ラスト1キロでエンジンを再点火し、最後の直線200メートルで4位に浮上した。世界選手権内定となる2時間7分59秒にはわずか1秒届かなかったが、堂々たるレースぶりで切符を確実にした。

 胸の内には公務員ランナー川内優輝への反骨心があった。11年12月の福岡国際マラソン。外国人選手に離され、今井と3位争いを繰り広げた。しかし、牽制(けんせい)し合い、ペースが落ちたところを川内にかわされた。その後「醜い日本人トップ争い」「駅伝のおまけでマラソンをしている」‐と実業団選手をやゆする発言を続ける川内を、何としても見返したかった。

 選考レースで、その宿敵を上回る堂々のトップタイムを叩き出し「そういうことは言わない方がいい。あまり馬鹿にしてもらっても困る。実業団選手だって頑張ってるんだ」と、胸を張って“反論”した。

 8月のモスクワ世界選手権には、川内も代表選出が濃厚だ。「スタートラインに立てば、実業団も公務員もプロも関係ない」と、前田。次は“直接対決”、そして世界の舞台で、自らの走りの価値を証明する。

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