桐生2冠!四百リレー6人ぶち抜き

 「全国高校総体・陸上」(1日、大銀ド)

 男子400メートルリレー決勝が行われ、100メートル日本歴代2位の10秒01を誇る桐生祥秀(17)=京都・洛南高=が、アンカーで出場。7番手でバトンを受けると、圧巻の6人抜きで、チームを悲願の初優勝に導いた。優勝タイムの40秒21は、現チームのベストタイム。2日には200メートルに出場。最大の難関とみられていた種目をクリアし、目標としていた3冠(100メートル、200メートル、400メートルリレー)達成は目前に迫った。

 真のヒーローでなければ、こんな結末は描けない。アンカーで登場した桐生は、バトンを受けた時点では7番手。優勝は絶望的だと誰もが思った。しかし、一瞬で4番手まで浮上すると、その後もグングン加速。残り40メートルで3番手に上がり、残り10メートルで先を行く相洋、仙台育英を抜き去ってそのままゴールへ。前日の100メートルで見せなかったガッツポーズが、会心の走りを物語る。まるで漫画の世界のような圧巻の6人抜きで、洛南を悲願の初優勝に導いた。

 準決勝までのタイムでは、洛南は相洋、仙台育英に次ぐ3番手。いくら桐生を擁していても、下馬評では優勝は難しいとみられていた。ただ、これまで常識を覆してきたワンダーボーイの頭に、“諦め”の文字はなかった。「タイム的に厳しいと言われていたけど、僕らは狙ってました」。レース前、メンバーには「バトンを渡してくれれば、自分が何とかする。もし硬くなって負けたら、俺のせいにしてくれていい」と、話した。最上級生として、そしてエースとして、勝敗の責任を一身に背負い挑んだ大一番で、強烈なパフォーマンスを発揮した。

 2日には200メートルに出場。最大の難関とみられていたリレーをクリアし、目標の3冠を完全に射程にとらえた。「出る種目は全部優勝したい」。10日からはモスクワ世界選手権も控える。まだまだ続く高校最後の夏。忘れられない夏にする。

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