桐生3冠!男子短距離19年ぶり
「全国高校総体・陸上」(2日、大銀ド)
男子200メートル決勝で桐生祥秀(17)=京都・洛南=が向かい風1・4メートルの中、20秒66の大会新記録で初優勝した。100メートル、400メートルと合わせた男子短距離3冠は、94年の高橋和裕(奈良・添上)が1600メートルリレーを含めて4種目を制して以来19年ぶり。10日に開幕する世界選手権(モスクワ)へ弾みをつけた。
追いすがるライバルたちも、疲労も、最後は力でねじ伏せた。直線ではややバランスを欠いたフォームになった桐生だったが、失速を最小限にとどめ、大会新で19年ぶりの高校総体男子短距離3冠を達成した。
「絶対に3冠を取ってやろうと思っていた。疲労で体のバランスがおかしかったし、最後はバテたけど、狙ったことができてうれしい」。ゴールを駆け抜けると右拳を突き上げた。
連日の猛暑が続く中、今大会9レース目。怪物スプリンターも、疲労は隠せなかった。「終わった後、足に疲労感がどっときた」とレース後、足を引きずる場面もあったが、幸いけがはなし。「お風呂に入って、ご飯をしっかり食べて、疲労を抜いていきたい」と充実感に浸った。
中学を含めて、これまで頂点には縁がなかったものの、ようやく手にした3つの日本一。10日開幕のモスクワ世界選手権に向けて、7日に日本を出発する。「モスクワでは1本1本集中して走りたい」。たくましさを増す上昇“きりゅう”、次はモスクワで旋風を巻き起こす。