沙羅GP総合連覇!留め具割れても出場

 「ノルディックスキージャンプ・GP女子個人第5戦」(21日、アルマトイ)

 来年のソチ冬季五輪で活躍が期待されるノルディックスキー、ジャンプ女子の高梨沙羅(16)=クラレ=が優勝し、22日の最終戦を残して2年連続のGP総合優勝を決めた。昨季、冬のW杯の総合を制した高梨は、1回目に102メートルでトップに立ち、2回目も最長不倒の105・5メートルを飛び、合計244・5点で3戦連続の優勝を果たした。

 1回目の直前、高梨をアクシデントが襲った。スキーとブーツをつなぐ留め具が割れ「棄権しようか迷った」という。しかし数十秒で意を決し、スタート。100メートルを軽々と越えた。部品を取り換えた2回目は「落ち着いて飛べた」とさらに飛距離を伸ばした。

 危険性を考えれば、回避してもよかった。「留め具が空中で分解したら落ちてしまう」と、一つ間違えば大けがにつながる可能性があるのは理解していた。

 それでも出場にこだわった。「国を代表して連れてきてもらっている。戦わないで帰るのは悔しい。いちかばちか」。常に全力を尽くす女王は冬への準備の意味合いが強い夏のGPでも試合を諦めることはできなかった。

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