初出場の加藤、けが乗り越え銀

 「体操世界選手権」(3日、アントワープ)

 初出場の加藤凌平(20)=順大=は、90・032点で銀メダルを獲得した。

 国際体操連盟が公開したPR映像で、優勝予想に加藤の名前は出てこなかった。「日本で(代表争いの)厳しい戦いをしてきた経験を生かせた」。事故によるけがを乗り越えた大学2年生が、新技発表で世界を驚かせた17歳の白井健三(神奈川・岸根高)に続いてその名を一気に広めた。

 得意の床運動で勢いに乗った。「最後の着地もしっかり止めて、あのスタートがあったから最後までいい演技ができた」と言う。内村と同様に演技の質が高く「例年よりも厳しめに採点された中でも90点台が出た。日本の丁寧な体操が評価された」と手応えを得た。

 5月の東日本学生選手権でつり輪のワイヤが切れるアクシデントに見舞われ、肩などを痛めた。7月のユニバーシアード夏季大会では5位に終わり「ことしを振り返ったら苦しい試合ばかりだった。やっと報われた」と喜びがひとしおだ。

 1989年大会で平行棒の新技を発表した父、裕之さんが「私の得意種目だったので『平』を私に例え、凌駕(りょうが)する子になってくれたら」と願い「凌平」と名付けた。つり輪の新技「カトウ」を披露した初舞台で、新鋭は父の届かなかった表彰台に駆け上がった。

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