葛西、お宝“隕石メダル”ゲットに意欲
ソチ五輪で日本選手団の主将を務める葛西紀明(41)=土屋ホーム=らノルディックスキー・ジャンプ男子代表が29日、五輪に向けて成田空港を出発した。葛西に最も期待がかかるのが2月15日(日本時間16日)に行われるラージヒル決勝。同種目で優勝すれば、金メダルのほか、ロシアへの巨大いん石落下1年の記念にいん石の入った記念メダルが授与されるだけに、7大会連続出場の“レジェンド”が2個のメダルを狙う。
手に入る勲章は多いほどいい。7度目となる五輪への出発。葛西はイベントが行われる搭乗ゲートに現れた。狙うは、まだ手にしていない金メダル。ラージヒルが行われる2月15日、金メダルを獲得した選手には、副賞としていん石が組み込まれたメダルが贈呈されると聞き「そうなんですか?それは楽しみにしたい」と笑った。
“いん石メダル”の基になるのは、昨年2月15日にロシア中部チェリャビンスク州に落下した巨大いん石のかけら。ソチ五輪の開催期間が落下1年と重なることから、同州が中心となり、計画を進めてきた。
同日に行われる決勝7種目の勝者しか手にできない“幻”のメダル。モスクワの専門機関によれば、同いん石が形成されたのは太陽系とほぼ同時期の45億6千万年前。スキージャンプ界の“生ける伝説”となった男に、ふさわしい逸品となりそうだ。
チームニッポン主将として、大きな期待を感じている。「過去6大会と比べても、応援の声が一番熱いと感じている。期待に応えたい」。ほかの選手と同じくエコノミークラスでの出発となったが「メダルを獲ったあかつきには、ビジネスで帰ってきたい。金メダルを目指して頑張ってきます」と、力強く宣言した。
ドイツでのW杯を経て、2月3日にソチ入りする。「気負わず、迷わずやりますよ」。不屈の41歳は、静かに闘志を燃やした。