卓球日本女子、中国に完敗も大収穫の銀
「卓球世界選手権・団体戦女子・決勝」(5日、国立代々木競技場)
女子決勝で43年ぶりの優勝を狙った世界ランク2位の日本は、同1位の中国に0‐3で敗れ、銀メダルに終わった。1番手の石垣優香(24)=日本生命=がロンドン五輪銀メダリストの丁寧に1‐3で敗れると、続く石川佳純(21)=全農=は同金メダルの李暁霞にストレート負け。前日の香港戦で大逆転勝利を見せた平野早矢香(29)=ミキハウス=も、世界ランク1位の劉詩ウェンにストレート負けした。男子も中国がドイツを下し、7連覇した。
王国の壁は厚かった。敗戦が決まると、石川は応援していたベンチから、なかなか立ち上がることができなかった。それでも気持ちに整理をつけると、降り注ぐ歓声に笑顔で手を振った。
「ロンドン五輪よりもいい試合ができたと思うし、すごく楽しい世界選手権でした」
成長を実感できた大会だった。決勝ではロンドン五輪準決勝で敗れた李暁霞と再戦。結果は同じストレート負けだったが、ラリーでは何度も打ち勝つシーンがあった。昨秋から母・久美さんに代わり、陳莉莉コーチに師事。男子代表の合宿に交じり練習するなど、“打倒中国”を目指して取り組んできたことに手応えを感じた。
重圧も乗り越えた。これまで日本を支えてきた福原愛(ANA)がケガで不在。エースとして、常に2勝を期待されるプレッシャーを一身に受けたが、しっかりと応え続けた。試合後は「自分が2回負けて、試合を落とす夢を5回か10回見た。でもみんなに助けてもらって、最高のプレーができた」と、涙がこぼれた。
16年リオデジャネイロ五輪では中国を倒し、金メダルを狙う。「中国はすごく強かった。まだ足りない部分がある。リオ五輪に向けてもっともっと強くなりたい」。夢を叶えるその日まで、歩みは止めない。