豪栄道、大関口上は四字熟語“封印”

 大相撲名古屋場所で2横綱2大関を破って12勝を挙げ、大関昇進を確実にした関脇豪栄道(28)=境川=が千秋楽から一夜明けた28日、愛知県扶桑町の境川部屋宿舎で会見した。30日に行われる予定の大関昇進伝達式で披露する口上には定番ともなっている四字熟語を“封印”。分かりやすさ第一で考えることを宣言した。

 豪栄道は、新大関をほぼ手中に収めても冷静だった。「まだ実感が湧いてない。これから徐々に湧いてくると思う」。琴奨菊との大一番を制した前夜は午前3時ごろまで寝つけなかったといい、「緊張がかなりあったけど、気合が上回っていた。興奮がなかなか収まらなかった」と打ち明けた。

 日本相撲協会が30日に開く秋場所(9月14日初日、両国国技館)の番付編成会議と臨時理事会で昇進が決まり、昭和以降最長の14場所連続で在位した関脇を脱する。注目の大関昇進伝達式の口上については、分かりやすさを重視する。

 子どものころにあこがれていた貴乃花(元横綱)は大関、横綱の伝達式で「不撓(ふとう)不屈」「不惜身命」を用いたが、「そういう柄じゃないんで」として、四字熟語は使わない。その上で「気持ちが伝わるようなものがいい。かまへんようにします」と言えば、師匠の境川親方(元小結両国)も「オレも豪栄道も、あんまり頭がパッとしないんでね。あっさりいきたい」と苦笑いした。

 豪栄道は「(大関は)本当に強い人しか上がれない地位。いろいろな人に感謝したい」と殊勝だった。昇進伝達式では、相撲内容のように熱く気持ちのこもった決意表明を見せてくれるはずだ。

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