白鵬、土俵際で一瞬ヒヤリも5連勝
「大相撲初場所・5日目」(15日、両国国技館)
史上最多33回目の優勝を目指す横綱白鵬は、土俵際で勢の肩透かしに一瞬ヒヤリとさせられたが、物言いもつかず薄氷の白星で初日から5連勝とした。横綱日馬富士も小結栃煌山を下してトップ並走。平幕の隠岐の海も全勝を守った。かど番の大関豪栄道は栃ノ心の上手投げに屈して2敗目を喫した。関脇逸ノ城は高安に送り出しで敗れ、3敗目。
思わず肝を冷やした。白鵬はもろ差しの体勢になって勢を一気に東土俵際まで運んだが、体を預けた際に左肘が空いた。そこに右を差した勢がすかさず肩透かしにいくと、横綱の体が大きく泳いだ。
白鵬がバッタリ前に落ちるのと、勢の両足が土俵外に飛び出すのがほとんど同時に見えたが、立行司・式守伊之助の軍配は白鵬に。審判から物言いもつかず、軍配通りに勝ち名乗りを受けて30本の懸賞をつかみ取った。
大魚を逃した勢は、「右を差して肩透かしにいったのは覚えてますが、そこから先は必死で全然分からなかった。そんなに微妙でしたか?自分が残すだけで精いっぱいで…」ともつれた土俵際を振り返った。
土俵下から勝負を見届けた二所ノ関審判長(元大関若嶋津)は勢の足が出るのが早かったと判断。「横綱が残っていたとみた。他の審判も手を上げなかったから、そう思ったんじゃないかな」と説明した。
支度部屋に引き揚げてきた白鵬は、いつものように冷静に勝因を分析。「こういう相撲もあるからね。前に出られたというのが、白星につながったんじゃないかな」と余裕を漂わせながら語った。まずは順当に序盤戦を無傷で乗り切り、33回目のVへ向けて確実に一歩ずつ突き進んでいる。