愛知失格も「新・山の神」“12人抜き”

 「全国都道府県対抗男子駅伝」(18日、広島市平和記念公園前発着=7区間)

 優勝候補の一角、愛知が1区から2区への中継の際、ライン手前で2区の走者がたすきを拾ってスタートしたため失格した。2区以降は個人記録のみというレースになった中、2日の箱根駅伝5区で快走した「新・山の神」こと神野大地(21)=青学大=が最終7区で区間3位と激走した。埼玉が歴代3位の好記録となる2時間19分14秒で初優勝した。

 順位がつかない幻のたすきを胸に、神野は前を追いゴールを目指した。「愛知の選手として選んでもらった責任を果たし、1人でも抜こうと思った」。27番目相当でスタートし、15番目相当でフィニッシュ。神の名に恥じない激走だった。

 優勝候補にも挙げられていた愛知が、アクシデントに見舞われたのは第1中継所直前。1区の山藤(愛知高3年)が脱水症状と低体温症でフラフラになる中、何とかつなごうと投げたたすきを2区の蝦夷森(古知野中3年)が中継線手前で拾い走りだしてしまったが、これがルール違反に。「必死だったので、ルールのことは頭に入っていなかった」(蝦夷森)。後に失格の裁定が下り、2区以降は個人記録のみが有効となった。

 それでも神野の気持ちは切れなかった。「残念な気持ちはあったけど、駅伝にはつきもの」。箱根駅伝後、注目を浴びる存在になったが、「いろいろな人が自分のことを知ってくれたのを力に変えて走れた」と力走。区間3位、37分36秒は目標の38分切りをクリアする学生トップの記録だった。

 「状態がよくない中、勝負してまとめられたのは自信になるし、力がついていると実感できた」。アクシデントにも負けず、平地の神へ確かな足跡を記した。

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