白鵬、両陛下の前で横綱600勝達成

 「大相撲初場所・8日目」(18日、両国国技館)

 2011年初場所以来4年ぶりに天皇、皇后両陛下が観戦された中、史上最多の33回目の優勝を目指す横綱白鵬は、安美錦を引き落としで破って勝ち越しを決めた。中日ストレート給金は36回目で自己記録を更新、史上4人目の横綱600勝も達成した。平幕隠岐の海が2敗目を喫し、1敗で追うのは横綱日馬富士と大関稀勢の里の2人。稀勢の里に完敗したかど番の豪栄道は4勝4敗と厳しい星勘定になった。

 この日だけは負けられなかった。4年ぶりの天覧相撲。待ちに待った晴れの舞台で白鵬が気迫の白星をもぎ取った。立ち合いで右差しを封じてきた安美錦の左おっつけに落ち着いて対処、食い下がるベテランを左に回り込みながら右手をたぐって引き落とした。これで自己記録をさらに更新する36回目のストレート給金。北の湖、千代の富士(現九重親方)、大鵬に次いで史上4人目となる横綱600勝も達成した。

 何よりも天皇・皇后両陛下の前で相撲を取れた満足感が心地よかった。前回の11年初場所初日の天覧相撲のあと、2月に八百長問題が発覚。4年間もの空白が生じただけに「こういう日がくることを信じて頑張ってきて良かった。(取組を)終わって改めてそう思います」と、天覧相撲に対する思い入れの強さを語った。

 物言いがつく際どい相撲がありながらも、きっちりと8つの白星を並べて後半戦に向かう。「いろんな気持ちの葛藤があった8日間だった」と振り返るように、以前のような圧倒的な強さで勝ち進んでいるわけでない。北の湖理事長(元横綱)は「押し込まれている相撲を取っても、落とさないところが安定感につながっている」としぶとさを評価。V33へ一歩ずつ近づいていく。

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