山下氏 斉藤さん「大きい存在だった」

 斉藤氏と好敵手として名勝負を演じた全柔連の山下泰裕副会長は20日「彼の台頭が私の闘争心を呼び起こしてくれた。お互いにとって大きい存在だった」と目を潤ませた。

 高校生だった斉藤氏を見た第一印象は「柔軟でバネがあっていい柔道をするなあ」だった。全日本選手権は83年から3年続けて決勝で山下氏が挑戦を退けたが、いずれも大熱戦。85年は9連覇を達成した山下氏の現役最後の試合になった。「組んだ瞬間に仁が俺を超えたなと勝負師の直感で思った」という。

 一番の思い出に挙げたのは別階級で出た84年ロサンゼルス五輪。1日早い出番を前に「先輩、必ず金を取ります」と誓った斉藤氏に、山下氏は「仁ちゃん、頼むぞ」と応じたという。有言実行の後輩から「明日は頼みます」と託された先輩も、続いて頂点に立った。

 2013年に暴力指導問題が発覚した柔道界で、両氏は立て直しに心血を注いだ。病床でも再建策を語っていたといい、山下氏は「天国の仁ちゃんに安心して見てもらえるような柔道界をつくっていきたい」と目元を拭った。

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