照ノ富士、逆転Vへ望みつなぐ水入り星

 「大相撲春場所・14日目」(21日、ボディメーカーコロシアム)

 新関脇照ノ富士が逸ノ城を2場所連続水入りの大熱戦の末、寄り切って2敗を死守、自己最多12勝目を挙げた。横綱白鵬も突き落としで大関稀勢の里を退け13勝1敗とし、賜杯争いは2人に絞られた。千秋楽で白鵬が横綱日馬富士に勝てば自身2度目の6連覇、史上最多34度目の優勝が決まる。初優勝が懸かる照ノ富士が大関豪栄道に勝ち、白鵬が敗れた場合、決定戦にもつれ込む。

 3分53秒の死闘を制した照ノ富士は土俵下で膝に手を置き、荒い息がおさまらなかった。逸ノ城との取組は2場所連続の水入りに。大相撲の末、勝利をつかみ、逆転初優勝へ望みをつないだ。

 立ち合い、押すつもりが180キロの体は200キロ超に跳ね返された。「重かった。止められると長くなる」と覚悟した。がっぷり四つに組み手詰まり状態。3分半に及んだころに水が入った。

 近年では水入り自体が珍しく先場所が5年8カ月ぶり。同じ相手で2場所連続は平成以降初となる。計380キロ超の肉弾戦は休憩後に再開。照ノ富士は「もう出るしかない。頭を付けた瞬間、まわしが切れたと思った」と一気に寄り切った。先場所の雪辱に「それどころじゃなかった。もう握力がない」と疲労困ぱいに振り返った。

 前日は日本、モンゴルの知人らから祝福メールが200件。4時間かけて返信し、横綱白鵬を初撃破した大仕事をかみしめた。

 新三役で12勝は00年初場所の雅山(当時小結)以来15年ぶり。成長の裏に白鵬の言葉があった。以前は会場のヤジにイライラして自滅することが多かったが、相談すると「俺なんかボロクソ言われてるよ。あちこち見てたらこんなんなっちゃうよ」と白鵬は首を大きく振りながら助言してくれた。大横綱に比べればささいなヤジ。「それから落ち着くようになった」という。

 2敗を死守し、7歳上の恩人を1差で追う。兄弟子・日馬富士の援護射撃にも期待しながら「まず俺が勝たないと。勝って待ちたい」と優勝決定戦を見据えた。

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